都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

ストロベリーナイト

警察には一般企業にもある役職とは別に、九つの階級があります。

下から巡査・巡査部長・警部補・警部・警視・警視正・警視長・警視監・警視総監の順です。

その警察官になるためには、大きく分けて二種類の進路が存在します。

一つ目は、大学や大学院を卒業して国家公務員試験に合格し、警察庁に入庁するという進路。国家公務員試験は二種類ありますが、そのうちの難しい方である総合職試験に合格した人が、いわゆる幹部候補の「キャリア」であり、階級は「警部補」からのスタートになります。

もう一つの一般職試験に合格した人は「準キャリア」という扱いになります。階級は「巡査部長」からのスタートです。

ノンキャリア」は、各都道府県の警察に属する地方公務員の警察官のこと。国家公務員である「キャリア」と異なり、採用は試験ではなく選考で行われます。巡査から始まって、警部までは昇任試験を受けることで昇格していきますが、下っ端ほど忙しく、なかなか勉強する時間がありません。「ノンキャリア」が警視になるには、警部としての実務経験が6年以上必要であり、定員があって試験ではなく選考によって昇格が決まるため、警視正がギリギリの最高位。ほとんどは警視止まりですし、警視になれる人も多くはないようです。

これらの階級が初対面でも分かるように表示されていて、身分の上下を明確にすることで、迅速な命令系統が可能となっているものの、年齢や能力とは直接関係ないので、いろんな軋轢が生まれてしまうのです。

例えば『踊る大捜査線』で言うと、内田有紀いかりや長介が巡査、織田裕二深津絵里が巡査部長、佐土井けん太が警部補、小野武彦が警部、ユースケサンタマリアや斎藤暁が警視、柳葉敏郎北村総一朗それに筧利夫真矢みき警視正大杉漣が警視長、神山繁大和田伸也警視監です。

警察ドラマを理解する上で、そこのところを押さえておく必要があります。

 

ストロベリーナイト』(光文社文庫)は、誉田哲也の姫川玲子シリーズの一作目です。

ブログで何度も紹介していた誉田作品なので、すっかり読んだ気になっておりましたが、まだでした。

ドラマも観ていたんだけど、暴力シーンがえげつないので、映像化は限界がある。しかしながら、作中登場人物のキャラがのびのびと際立っていて、見事に一気読みでありました。個性を持たせることで、話振りから誰のセリフかがすぐ分かる。それが、読みやすさの秘密です。小説の中における会話体使いの名手は、関西弁を自在に操るってとこ、新しい発見なのであります。

 

【テーマ】タイトル・時代性・学習性 17点

【文章技巧】読みやすさ・バランス 18点

【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 20点

【構成】つかみ・意外性・スピード感 18点

【読後感】爽快感・オススメ度 18点

【合計】91点