都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

ファーストキス

月に一度のペースで映画を観に行きますが、そのほとんどは邦画です。何故かと言うと、洋画の字幕がストレートに入ってこないのと、それ以上に問題なのが、外国人がみんな同じ顔に見えるってとこにあります。だから、頭の中で常に理牌(リーパイ:麻雀用語)している感じ。いや、それ以前に、来ている服が変わると訳が分からなくなってしまう。それって、邦画でもある話なんですけど。登場人物は少ないほど、のめり込むことができるのであります。

 

そんな中で、坂元裕二の脚本作品は見逃せません。

テレビドラマでは『東京ラブストーリー』から始まって『Mother』『Woman』『anone 』『カルテット』『大豆田とわ子と三人の元夫』、映画では『世界の中心で、愛をさけぶ』『花束みたいな恋をした』『怪物』…。スゴい打率です。

なので、上映中の『ファーストキス』に行って来ました。

物語は、結婚して15年となる夫(松村北斗)を事故で亡くした主人公(松たか子)が、新たな人生を送ろうとしていたある時、タイムリープを行う術を手に入れ、夫と出会う直前の過去へ戻るところから始まります。生前の夫とは不仲な状態にあり、愛情が冷めていた妻ではあったものの、若い頃の夫を見た妻は再び恋心を取り戻し、同時に15年後に事故死する夫を救わなくてはという思いに駆られるという展開です。

恋愛映画ながら、ベタベタくっつくことがほとんどなく、深いところでの愛情表現をうっすらと散りばめているのがオシャレでした。気付かなければ、それでもいいというスタイルが坂元流で、会話の中に哲学を持ち込みます。

 

「好きな所を発見しあうのが恋愛、嫌いな所を見つけ合うのが結婚」

「恋は盲目っていうじゃないですか。結婚は逆に解像度が上がります」

 

この映画は、それぞれ自身の置かれた立場によって、刺さり方が違ってくるように思います。

妻は事故で死んでしまう夫の運命を変えるために、自分と結婚しないように仕向けるものの、夫は出逢いから積み重ねた時間を大切だと考える。

夫が愛したのが15年後の自分であり、それがファーストキスだったということ。靴下とかトースターとか通販の餃子だとかにも、それぞれに意味が込められていて、深〜い話なのであります。

それにしても、松たか子の15年前の役づくり、魔法を見せられたようでありました⁉︎