今や大学への進学率が50%を超え、お笑い芸人の世界でも大卒が当たり前となりました。
高卒以下の芸人と大卒芸人の違いは、親の諦めです。
成績が良くなければ、その将来に期待することなく、何をしようとも寛大な気持ちでいれます。
だけど、大学まで行かせたとなると、それなりの展望も抱くようになりますし、本人にもその気持ちが伝わります。ちゃんとしなければ。
つまり、高学歴芸人としての看板を背負ったならば、生半可な気持ちではやらなくなる。そういうものです。
なので、アリとキリギリスにおけるキリギリスっぽい処し方を良しとしません。
日本国内にとどまることなく、世界を目指すようになる。それは、大谷翔平がメジャーで活躍するような話。お金も欲しいけど、認められたい気持ちはエンタメの世界だって同じなんです。
NHKBSで『アメリカを笑わせたい〜お笑いメイド・イン・ジャパンの挑戦』という番組をやっていました。
それは、日本のコント師たちが、アメリカ・シカゴで「コメディの殿堂」と呼ばれる劇場へ、道場破りに出かけた様子を追ったドキュメンタリーです。文化も言葉も違うアメリカで、日本のお笑いが通用するかという芸人たちの非常に興味深い挑戦でありました。
チャレンジしたのは、上田航平(元ゾフィー)塚本直毅・溜口佑太朗(ラブレターズ)星野光樹(Gパンパンダ)吉住の面々。
動物園に中国からのパンダが移送されるのを移民に見立てての問題提起だとか、腹話術師の謝罪会見だとか、しっかりと練られたものをこれでもかとぶつけて行きます。しかしながら、間(ま)が合っていなかったように思う。ほんの少しなんだけど、アメリカ人とは笑いの間が違いました。おそらくそれは言葉の壁によるものなんでしょう。パンパンパーンとたたみかけるスピードがあって、間をあける。それって、もっと深く生活に入り込んでいくような時間が必要だと思うけど、そこをクリアしたら、うーんと近づくことが出来るのではないでしょうか?
番組では、挑戦者たちが劇場サイドから次回出演のオファーがなかったことを重く受け止めておりました。
いいじゃないですか。反省のあるところに進歩あり。次のチャレンジに期待しております。