1位 広島
2位 巨人
3位 阪神
4位 ヤクルト
5位 DeNA
6位 中日
優勝するチームには、シーズンを通じて安定した闘いぶりが求められます。決して、爆発力ではない。だからこそ、本塁打数や打率の数字が当てにならないんです。なので、攻撃力を示す数字に惑わされてはいけません。相手が弱ったところに付け込んで20点を叩き出したとしても、ヒット1本で逃げ切った試合と同等だからです。
したがって、大事なのは投手力。近年は、中六日で回すのが常識となっているので、一線級を6人揃えているかどうか? そして、絶対的なストッパーがいるかどうか? そして、中継ぎ投手を酷使しないような配慮ができるかどうか? それだけの駒が足りているかどうか? です。
さらに、投高打低の状況下では、守備力がカギを握っています。内野がエラーしないのはもちろん、外野の肩が強いのも、僅差を勝ち抜く条件です。ホームランが激減しているため、1点の重さが増しているので、外野守備の重要度が数年前とは比較にならなくなっているんです。
個別に見ていきましょう。
まず、1位に掲げた広島カープ。去年は8月末まで首位を走っていました。
9月の急な失速は、スタミナ切れによるものです。暑さもありましたが、得点力が低いため、僅差の試合がずっと続き、メンタル面で投手が疲弊していったからだと思います。今年は、去年のメンバーに二人の新外国人が加わり、二軍から二俣翔一選手がポジションを掴んだことで、長打力が期待できるようになっています。チーム全体で52本と大谷翔平一人よりも打たなかったホームランが、この3人で年間30本を上乗せできるので、ガラッと変わるという皮算用です。
床田寛樹・森下暢仁・大瀬良大地の強力スタッフから九里亜蓮が抜けた先発には、森翔平(翔平ってのがいい)・ドミンゲス・玉村昇悟が控え、二軍に常廣羽也斗・アドゥワ誠・佐藤柳之介が待ち構える陣容で、12球団ナンバーワンと言っていいでしょう。リリーフも多士済々で数が揃っており、盤石です。そして、投手を支えるのが守備力であり、菊池涼介・矢野雅哉・秋山翔吾のセンターラインが鉄壁なのもストロングポイント。
坂倉将吾が怪我から復帰する連休明けまでに勝率五割をキープできていれば、去年とは逆に後半戦へ向けて勢いがつくに違いありません。
2位はジャイアンツにしました。
単純に選手の能力値を積み上げていけばダントツの一位ですが、いつも言うように、戦力は足し算じゃありません。
岸田行倫・大城卓三・小林誠司がいるキャッチャーにFAで甲斐拓也を補充し、浅野翔吾・萩尾匡也・佐々木俊輔・オコエ瑠偉・秋広優人と若手の成長株が揃っている外野にキャベッジという外国人を補強したのもバカな話です。
マルティネスだって、大勢の役割にかぶる。一軍の外国人枠は最大5人までなので、グリフィン・バルドナード・ケラーは気が気じゃないでしょう。田中将大の場合、菅野智之の代わりなんてできるわけないし、ダメだと思ったら二軍へ落とすんでしょうか?それはそれで、迷惑な話です。こういう過当競争が、チームの一体感を損なうわけで、やたらと人数の多いコーチたちの処遇と合わせ、阿部監督には頭の痛いことだらけです。
3位は阪神タイガースです。
コーチ経験のない新任監督がリーグ優勝するのは、栗山英樹以外、記憶にありません。長嶋茂雄なんて、最下位でしたからね。NHKのテレビ解説では、野球IQの高さを存分に披露していましたが、藤川球児監督の大きな仕事はマネジメントですからね。コーチ陣に元監督の和田豊がいたり、ヘッドコーチだった平田勝男がいたりする陣容では、伸び伸びやれるように思えません。一軍スタッフで、自分より若いコーチは二人だけってとこに、窮屈さが漂っています。
投手の数は揃っているものの、抑え役の岩崎優に疑問が残ります。三振が獲れなくなってきていますからね。そのあたり、新監督がどのような采配を見せるかに注目しています。
4位は、ヤクルトスワローズ。
リーグ連覇を果たした高津臣吾監督ですが、すっかりその威光を失いました。
原因は、村上宗隆が普通の四番打者に収まってしまったのとトリプルスリーの山田哲人から輝きが消えたこと、それに塩見康隆に怪我が絶えず、満足な状態でプレーできないところにあるように言われています。そうこうしているうちに、石川雅規(45歳)小川泰弘(34歳)の二枚看板が
老朽化し、先発投手の頭数が揃わなくなってきました。奥川恭伸の故障癖が治ると良いんですが、どうでしょう?
希望の光は、ランバート(昨季28登板)バウマン(57登板)アビラ(54登板)と昨年までMLBで投げていたバリバリのメジャーリーガーを三人も連れて来たこと。これは画期的で、昨年オフにヤフーレやサイスニード、ロドリゲス、エスパーダと全員の首を斬ったのに納得です。バウマンとアビラが後ろを任されるようで、先発投手たちに良い影響が出るかもしれません。
5位はDeNA。
打線が良いのは間違いありませんが、相手投手如何によって、結果が大きく変わる攻撃力は当てになりません。ペナントレースの評価は、投手力と守備力、それに監督の采配についてを判断基準とすべきであるというのが私の持論です。
で、ベイスターズの場合、投手力というのが問題で、年俸9億円と言われるバウアーの意見を通しすぎるため、ローテーションがグチャグチャになるような気がします。9億円ですからね。それだけの活躍ができるもんなんでしょうか? 内野守備にも圧をかけるのがバウアーです。
加えて、東克樹や森原康平や山﨑康晃らがピークを過ぎたように見えるのも気がかりで、投手陣がベテランと外国人頼みでは、上位進出は難しいと思います。
最下位は中日ドラゴンズです。
マルティネスと小笠原慎之介、それに福谷浩司がいなくなりましたからね。先発候補の柳裕也(30歳)松葉貴大(34歳)大野雄大(36歳)涌井秀章(38歳)に上がり目ナシでもあり、駒不足がハッキリしています。バンテリンドームは、12球団随一のピッチャーズパーク(投手有利の球場)なので、このチームの根幹は投手力にあるハズなんだけど、ドラフト1位で獲った仲地礼亜や草加勝、それに根尾昴が育っておらず、新人の金丸夢斗にもデビューの目処が立たない現状では、とても上位進出を望めません。野手には、岡林勇希・石川昴弥・村松開人・田中幹也といい若手が揃っているんですけどね。チームの方向性がバラバラな印象が否めないのであります。
ところで、ビシエドって、どうなっちゃったんでしょう?