都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

漫才過剰考察

あちこちのテレビ局主催でお笑いの賞レースが乱立しています。

それで毎年のように新しいチャンピオンが生まれ、それと共に権威が薄れていく現象が起きています。

大きな理由は、前年の覇者が勝ち抜けていくからで、メジャーリーグのMVPがそんなだったら、大谷翔平もベッツもフリーマンも資格がなくなってレベルが落ちていくような、そんなイメージです。

そこへ一石を投じたのが、令和ロマンのM1参戦でした。

2023年の闘いを制した令和ロマンが当たり前のように2024年にも参加して、連覇を達成したのです。

周りからすると、いい迷惑のような話ですが、彼らには彼らの言い分がありまして、その考えをまとめたのが話題作『漫才過剰考察』(高比良くるま著・辰巳出版)です。

これと似た考察本が、ちょっと前に読んだ『答え合わせ』(石田明著・マガジンハウス新書)でして、彼が定義している漫才というものは、街でたまたま出会った二人の偶然の立ち話という設定のもと、事前の打ち合わせがなかったかのように装うのが基本だとキッパリ。そこでは、ヘンなことばかり言う加害者(ボケ)と、そのボケに振り回されつつ「なんでやねん」と問い正す被害者(ツッコミ)の二人が繰り返される。お客さんが、ボケの設定に乗っかって、一緒に騙されるようになれば、被害者友の会のような心理が生まれ、一体感が生まれるというのが漫才の基本メカニズムであると分析していました。

高比良くるまは、漫才のパターンをしゃべくり漫才・漫才コント・システム系漫才の三つに分類し、そのイベントの中で、極力スタイルが被ることのないよう会場の盛り上がりを意識して進めたそうです。そのために、毛色の違うネタを四種類用意して、臨機応変に対応するという。やぁ、本当か嘘か、優勝することよりも大会を盛り上げることを第一に考えたと言います。それほどに、漫才をM1を愛していて、いろんなプライドの持ち方があるもんだと驚かされました。この人、スゴいです。

オンラインカジノ事件では、時効であるにも拘らず、正直に名乗り出て、謹慎状態にありますが、これも絶妙な充電期間となって、次の爆発へ繋げるような予感があります。パーっと働いて、しっかり休みを取るっていうメリハリが新しいのであります。