都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

透明な螺旋

マンガの場合、その全てを自分で描かず、アシスタントに任せたところがあったとしても、それが問題になることはありません。

だけど、小説だったら、どうなんでしょう?
この部分をこんな風に描いておきなさいと弟子みたいな人に指示して、それをまんま使った場合、ゴーストライターってことになるのかどうだか?意見の分かれるところかも?

いや、東野圭吾の作品を読んでいると、そう思うことが結構あるんです。なんか文体が違う。

その方が、芸風は広がるんですけどね。AIの進化は、そのへんの責任の所在をますます分かりにくくしています。信者たちは、それでもブランド本位で購読し続けるわけで、裏事情を知る出版関係者はそれはそれで楽しそう。知りませんよ、東野圭吾がどうなっているのかは。だけど、何となく違和感を覚えることがある。妄想です。

 

『透明な螺旋』(文藝春秋)は、ガリレオシリーズの最新作です。

房総沖で男性の銃殺遺体が発見された。失踪した恋人の行方をたどるうちに、関係者として天才物理学者・湯川学の名が浮上する。ってことで、ストーリーが展開していきます。螺旋というのはDNAを意味する言葉で、親子関係について、血の繋がりがあるかどうか、産みの親より育ての親なのかどうかがテーマなんだと思います。そういうのって、人によって考え方が大きく違いますからね。ネットで賛否が別れているのもそうだろうなと感じています。いや、私は面白かった。さすがは東野圭吾たちです。妄想も含んでいます。

 

『透明な螺旋』(東野圭吾著・文藝春秋)

【テーマ】タイトル・時代性・学習性 18点

【文章技巧】読みやすさ・バランス 17点

【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 16点

【構成】つかみ・意外性・スピード感 18点

【読後感】爽快感・オススメ度 20点

【合計】89点