結成15年以内の『M-1グランプリ』へ出場できず、目標を失った漫才コンビのための「セカンドチャンス」というコンセプトで『ザ・セカンド』という大会立ち上げられ、三年目を迎えました。
出場資格を有するのは、結成16年以上のプロのみで、アマチュアや即席ユニットは出場できません。と言っても、経験豊かなベテランにとって、今さらという照れみたいなものもあって、テレビでお馴染みの、例えば爆笑問題とかオードリーなどのビッグネームは出て来ないです。あくまで、劇場での腕がありつつもテレビ的に知られていないような、そんなコンビのための賞レースです。ネタの持ち時間が6分と長く、審査に当たるのが一般人だというのも差別化を図ったためなんでしょう。
昨夜のトーナメントは、準々決勝から行われ、ツートライブの二人が優勝しました。
手探りで始めた第一回大会では、決勝まで進んだマシンガンズが何とネタを用意しておらず、視聴者から寄せられたコメントを読みながらツッコむという深夜ラジオみたいなことをやって顰蹙を買いましたが、流石にそんな不届者はいませんでした。どのコンビもしっかり準備した様子が伺え、かつてない高水準で闘いが繰り広げられたように思います。
しかしながら、決勝戦まで駒を進めると、それぞれが3種類めのネタで戦うのはなかなか難しい。自信のあるものからおろしていくと、だんだん面白度合いが落ちていくってところ、主催者からしても頭が痛いですね。イベンターとしては、後ろに行くほど盛り上がって欲しいんだけど、同じ日の三つ目ってところ。これが、この大会の構造的な弱みです。
そういうのって、他の賞レースでもありますね。最終決戦が期待したほど盛り上がらない。
M1で連覇した令和ロマンは、その対策として、ネタを4つ用意していたといいます。お客さんの様子と対戦相手のスタイルによって、臨機応変にできるようにですって。なるほど、ゲームに勝つためには、ここまで準備するもんだと感心させられました。
3試合闘うためには、4種類あるいはそれ以上の備えがないと、絶対勝利に近づけないんですね。
もう一つ、審査するのがプロの芸人じゃなくて素人だってとこ。文句言ったってしょうがない。そういうルールですから。
まぁ、世の中にはいろんな人がいるわけで、アマチュアっぽい判断基準があるとすると、くだらないとか分かりやすいという要素が強く加わっているように思います。生理的に好きじゃないってのもあるのかも。
囲碁将棋の二人の実力は抜きん出ているように思いましたが、敢えて欠点をあげつらうとするなら、「殺す」とか「死ぬ」とかの言葉のチョイスが受け止めた人によっては強すぎるし、自信に満ちた態度に可愛げがないと感じることがあるかもしれません。
実力差を感じた時は、素直にプラスを褒め称えるけど、拮抗している場合、アラ探しをするんです。
料理で喩えると、80点以上の場合、どっちが美味しいかなんて判断できないので、食器が安っぽいとかウエイターが無愛想だとか、本質から離れたところで評価するのに似ている。本当は80点と90点で、ハッキリ違うのにね。日本の社会は減点法だから、プラスよりもマイナスに目が行ってしまいます。
だけど、チャンピオンを選ぶに際しては、プラス評価でいくべきだと思います。
せっかくノックアウト方式なんだから、どっちが好みかをマルバツで聞いた方がスッキリするというのが私の考えです。
それにしても、延々と4時間だとか7時始まりだとか、何なんですかねぇ。
決勝までに6分ネタを7回戦うんだから、少なくとも84分以上が必要だという計算はありますが、4時間って240分ですからね。間延びした感は否めません。普通、そういうのって、CMを入れるためなんだけど、フジテレビだからお金にならないような番宣だらけで、TVerのよう。
だったら逆手にとって、大学の広告研究会に出場者のCMを作らせて競わせるような工夫があってもいいんじゃないかと考えたりしました。10分でも余計に作れれば、コンビの打ち合わせが出来るってのもあります。
う〜ん、ゲストもしょぼかったし、なんか来月の株主総会までは、ちゃっちゃとスケジュールを消化させてしまうようなやっつけ仕事を感じたのは私だけでしょうか?大丈夫か、フジテレビ。
第四回大会が開催されるよう、囲碁将棋・金属バットと一緒にお祈りしております。