都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

カテゴリー問題

ここのブログでは、野球とか将棋など個人的な趣味の話が多く、ジャンルに興味のない人にとってはハズレの回になるのかもしれないけど、今日はラグビーの話です。

まず、基礎知識から。

イギリス発祥のこの競技は、ちょっと気取ったとっつきにくいとこがあって、サッカーのようなワールドワイドな拡がり方はしませんでした。

トップレベルの英国以外では、ニュージランド・オーストラリア・南アフリカ・フランスぐらいで、後続の国々と差がついてしまったのです。

そこで、本家英国をイングランドウエールズアイルランドスコットランドに四分割し、それぞれを代表として認めました。

そして、国を代表するチームには、本国での代表経験がないことを前提として、それぞれの国に4年以上居住している選手であれば、国籍とは関係なしにその国の代表となることを承認したのです。

日本の代表チームには、主将のリーチ・マイケルを始め、ズラリとカタカナの名前が並んでおりますが、これは正式なルールに則ってのもの。

単一民族である日本の場合、肌や髪の色が違うため、その存在がやたらと目立ちますが、他国でも同じようにやっていて、帰化していない外国籍が混ざっていても特別なことではありません。そのことで、各国全体のレベルが格段に上がり、W杯みたいなイベントが成立しているのです。

他のスポーツのようなあからさまなプロ化が進んでいないので、国を跨ぐような移籍について多額のお金が動くようなことがないのも独特です。

その結果、世界的スーパースターの来日が相次ぎました。2019年に日本で開催されたW杯のアナウンス効果が絶大で、その安全性や住みやすさなどが評価されたことが大きかった。

さらに、発展途上のトンガやフィジーなどから日本の高校や大学へ留学し、そのままリーグワンへ進んで、日本代表資格を考える者が続出。それぞれの学校にとっては手っ取り早い選手獲得としての優遇措置だし、選手たちにとって、その先に明るい未来が開けていることで、モチベーションがグッと上がったと言えるでしょう。

そんなこんなで、日本のラグビーレベルが一気に上がりました。リーグワンは、サッカーで言えばプレミアムリーグみたいにキラキラ輝く存在にまで昇り詰めたのです。

その一方で、各チームの外国人登用が進み、多い時は先発15人のうち10人がカタカナ選手なんて編成も珍しくなくなりました。ラインアウトでジャンプするポジションであるロックでは、190センチ以上がマストだし、2メートル以上がザラです。バックスも100キロ以上の突進を止めるため体重が必要となり、その結果、どんどん選手が大型化していったのです。

いくら俊敏でスピードに恵まれていたとしても、これでは日本人の出る幕が減る一方です。横に増やせても縦には伸びませんからね。大学卒業後、プレーを続けずに引退してしまう有力選手もちらほらと。夢を諦めちゃうのが仕方ない。

そこで、この状態に歯止めをかけるべく、ラグビー協会はリーグワン出場における選手登録区分、いわゆるカテゴリーを変更しました。

これまで、日本代表実績があれば、日本人と同等に扱っていたカテゴリーA二つに分け、国内在住48ヶ月以上を前提として、日本代表歴が30回未満で日本の義務教育を受けていない外国人をA-2としたのです。
その上で、A-1、つまりほとんどの日本人の試合エントリー枠が14人以上、同時出場枠が8名以上と定めました。

ザックリ言うと、外国人選手枠が3人ほど削られたってことです。

 

う〜ん、苦渋の選択ですね。

日本人プレーヤーのモチベーションは上がりますし、国粋主義的なファン(?)は全面支持だろうけど、リーグワンの進化に歯止めがかかり、準レギュラーの位置付けだった外国人たちは職を失うことになります。

ラグビーに怪我は付き物なので、レギュラーだけで戦力を考えることは出来ません。普段の練習のことも考えると、準レギュラーの存在がチーム力を高めているとも言えるのです。

いやいや、難しい。これって、お米を輸入することの是非にも似てますね。似てませんか?