もし、我が国の総理大臣をアメリカのように全国民の投票で決めるようになったら、どうなるんだろう?
堂場瞬一の最新刊『ポピュリズム』(集英社)は、そんなテーマを書き上げています。
アメリカだって完全な直接民主制でなく、ワンクッション置いてはいるものの、全国民を巻き込んでいる点においては政治への参加意識が高い。
遠巻きに見ているだけではありません。
そこからさらに踏み込んで、自分たちのトップを選べるというのは、ちょっと嬉しいかも。
そこで、国民全員が投票できる仕組みとなると、候補者の知名度が重要視されるのは間違いないでしょう。
そうなると、余程、それまでに積み上げてきた実績がなければ、純粋な政治家から選ばれるのは難しい。
公約を果たしていなかったり、政敵から論破されて言い返せなかったり、リーダーシップが欠けているのを見透かされたり…プラスよりもマイナスに目が行くと、何もしていなかった方が有利になってしまいます。
民間からは、頻繁にメディアに登場している人に白羽の矢が立ちます。その場合、スキャンダルが大敵で、本人自身が清廉潔白だとしても、家族だって関係することなので、範囲が広がったとしても何もないってのは、なかなか…。
フォロアーをバックにつけたYouTuberというのも、名乗り出てくるかもしれません。
いわゆる政治家じゃなくて、人気者、例えばロンドンブーツの田村淳みたいな人が立候補するのはどうなんでしょう? 中居正広よりは良さそうだけど。
現実を考えると、小泉進次郎ぐらいで収まるのかなぁ?
個人的には、多数決が正しいなんて思っていません。心がきれいな独裁者を切望しています。
【テーマ】タイトル・時代性・学習性 19点
【文章技巧】読みやすさ・バランス 16点
【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 17点
【構成】つかみ・意外性・スピード感 17点
【読後感】爽快感・オススメ度 18点
【合計】87点