一昨日、デビュー10年以内の若手芸人による『ABCお笑いグランプリ』が行われ、エバースが優勝しました。
決勝で披露した喫煙のネタがあまりにも面白かったので、触れておきます。
漫才は、身体がデカい片割れ(町田)が、未だにタバコを止めていないことについて、ちっちゃい方の佐々木が非難するとこから始まります。
町田:俺がタバコを吸ったところで誰にも迷惑をかけていない。
佐々木:コンビで活動する中、お前がタバコを吸っている間、俺はただただ待っていなければならない。ムカつくんだ。タバコを吸いながら死に近づいていくお前に対して、何もできない自分の無力さに。だから、自分にできることは何かを考えた。これからは、お前がタバコを一本吸うたびに、シシャモを一匹焼いて食べることにする。
町田:どういうこと?
佐々木:シシャモは身体に良い。お前がタバコを吸って寿命が縮んだ分、俺がシシャモを食べて寿命を伸ばすから、お前が死んだ後も町田は俺の中で生き続けるわけで、俺が長生きしてるってことは町田も生きてるってことになるわけよ。
町田:シシャモって、どうやって焼くの?
佐々木:七輪で。
町田:どこで焼くの?
佐々木:楽屋で。
町田:ダメだよ。そんなもの焼いたら、煙が出るし臭いだろ。
佐々木:ヘェ〜、そういう感覚はあるんだ。煙、めっちゃ出るし、臭いだろって感覚はあるのに、毎回俺の前でタバコ吸うんだ。
町田:いや、俺は喫煙所で吸うから。
佐々木:じゃあ俺も喫煙所で焼くわ。
町田:良いわけないだろ。他の喫煙所にいる人の迷惑になるだろ?
佐々木:ハァ〜?お前ら喫煙者が迷惑だから喫煙所を作ったんだよ。だから、喫煙所にいる人の迷惑という言葉はこの世に存在しない。なぜなら、喫煙所には迷惑な人しかいないから。
町田:言い過ぎだろ!
佐々木:そこでタバコを吸おうがシシャモを焼こうが、スモーキングルームって書いてあるじゃないか。
町田:だけど、七輪で焼くんだったら絶対お前の方が時間かかるだろ。タバコなんてせいぜい5分だ。その後、お前が焼き終わるまで待つ時間が生じるじゃないか?
佐々木:その感覚はあるんだ!ただただ待つという感覚はあるのに、俺のことを10年間待たせていたんだ。お前もシシャモが焼けるのを待てや!
町田:俺は一日に20本吸うんだぞ!
佐々木:じゃあ、俺もシシャモ20本食うわ。
町田:そんなのダメだろ。20本も食べたら、身体に悪い!絶対、止めた方が良い!
佐々木:お前には関係ない。俺は好きでシシャモ食うんだから。なんか迷惑かけましたっけ?
町田:……。喫煙者って、こんなキモいんか?
佐々木:どう、タバコ止める気になった?
伏線の回収が際立った台本と、絶妙な掛け合いの話芸が冴え渡っておりました。この模様はABEMAで無料配信しています。
ところで、コンビ名のエバースとは、野球の戦術で、バントの構えからバットを引くことを指しているそうですが、野球通を自負する私も知りませんでした。そういう見えにくいこだわりが、エバースの魅力なのであります。今後に注目です。