その昔、新聞を取るのは常識で、引越ししたりすると、どっかから見張っていたかのように、新聞屋さんが勧誘に来ておりました。
日本人がそんなに熱心に心待ちにしてたわけじゃなく、みんながそうしてるからの横並び意識と、洗剤やお米、それに巨人戦チケットという販促品が魅力的だったこと、それにちょっと危ない販売員の押し出しの強さが成長を支えていたと思います。
インテリが作ってヤクザがそれを売り、バカが読むという図式です。
多くの人は、テレビ欄を確認するためのツールだったのではないでしょうか?あと、4コマ漫画。
その新聞が、じわじわと発行部数を落としています。
そりゃ、そうですね。速報性で携帯電話に敵わないし、そもそもほとんど読んでないし。
共働きで、留守宅が多く、コワモテの「サービスするから取ってちょ」という押し出しが通用しないってのもあるかもしれません。
その煽りを受けたのがテレビです。
最大の宣伝手段を封じられてしまった。だから、CM枠を使ってやたらと番宣広告を流すんだけど、それって前提がテレビの視聴ですからね。
かくして、衰退の一途を辿っているのです。
元NHKアナウンサーの今道琢也による『テレビが終わる日』(新潮新書)によると、一週間のうちにテレビのコンテンツ・サービスに一度でも接している人が92%なんだそうです。多いように思いますが、それって放送自体だけでなく、TVerやNHKプラス、それにSNS公式アカウントも含めてのものですし、週に一度ですからね。8%が見ていない現実。
衝撃的なのは、年代別の数字で、13~19歳の19%、20代の27%が「いずれにも接触なし」ということです。一番見て欲しい人たちが全く見ていないってこと。ビックリです。
同氏の分析では、そもそも家にテレビを置いてない若者が増加しているんだと。なるほど、10代より20代の方が多いって、そういうことなんだ。
フジテレビ問題で、その存在が危ぶまれておりますが、モラルのことよりも、コンテンツの面白み自体に傷があるってとこ、自覚がないと、ますます泥沼にハマっていくのであります。