その昔、アフラックのがん保険は預金セットという必殺技を編み出しました。
銀行の定期預金の金利を保険料に充てるという論法で、顧客を説得するのです。
根底にあるのは、がん保険ならではの定額保険料で、金利で充分に保険料を賄える。
銀行は、顧客が金利に魅力がないにも拘らず、がん保険への興味があるという顧客ニーズについては敏感で、お互いにwin-winだったのです。つまり、銀行員自身ががん保険の重要性を説いて、預金獲得を進めていくという図式。アフラックは銀行員が薦めてくれる保険ですから、文句の付けようがありません。
この形、主として地方銀行で展開されました。目立たないようにそぉっとそぉっと。win-winの方程式です。
その後、ほとんど利息が付かない低金利となって、そんな手法が廃れたのですが、大手の生命保険の尖兵となっていたおばちゃんたちの訪問販売が通用しなくなったことで、再び生保業界が銀行に秋波を送ります。
生保には用事がないけど、銀行は日常的に顧客との接点を持ち続けていますからね。
だから、窓口販売のギブアンドテイク。銀行は銀行で利息以外の話のネタが欲しかったのです。
かくして、生保各社は銀行との関係を深めていきます。金融庁の管轄下では、同業者ですから話も早い。
このたびの日本生命社員による出向先の三菱UFJ銀行顧客データ持ち出しには、そんな背景がありました。
そりゃあもう、銀行のデータは緻密ですからね。喉から手です。
何が起きていたかが詳らかになると、ほーんと大騒ぎになるんでしょうけど、中居くんの事件と違って実害がぼんやりしてますからね。ニッセイの会長は経団連の会長だし、まぁ、穏便に解決を図るんだと思います。
生保も悪いけど、隙があった銀行はもっと悪い。
そして、悪い奴ほどよく眠るのであります。