多作で知られている今野敏の作品は、200冊を軽く超えているんだそうです。
スゴいですね。200冊を読むのだって大変なのに。年間5冊のペースで出版しているらしい。働き者です。
いろいろ書き分けるために、いくつかキャラクターを創り出します。
その一つが、できるだけ頑張りたくない暴力団担当の甘糟刑事シリーズです。
設定自体がコントです。いないと思うな、人見知りで怖がりで、そこそこ思いやりがある、だけど手柄に全く興味がないマル暴刑事。あり得ないからこそ面白い。
そんなわきゃねーだろってのは、コントの王道です。あり得ない状況を見つけたところから、物語が始まる。
なので、東京03だし、ダウ90000だし、バカリズムの世界観です。そこが、今野作品の魅力。
『マル暴ディーヴァ』(実業之日本社)では、ふざけまくってます。
付き人無しで出没する警視総監がおちゃらけてるし、実力派ジャズシンガーの本業が警察庁バリバリのキャリアだっていうのもぶっ飛んでます。
どう考えてもおかしいし、あり得ないんだけど、甘糟刑事の人柄が全てを中和するというところ、うまいんだなぁ。いない人がいるようだと思わせるテクニックに終始脱帽です。
ちなみにディーヴァとは、イタリア語で女神と訳される言葉で、オペラやポピュラー音楽で活躍する卓越した女性歌手を指すんだそうです。勉強になりました。
【テーマ】タイトル・時代性・学習性 18点
【文章技巧】読みやすさ・バランス 18点
【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 19点
【構成】つかみ・意外性・スピード感 17点
【読後感】爽快感・オススメ度 19点
【合計】91点