技能実習生のベトナム人たちに日本語を教えた経験者として言わせてもらうと、まず、彼らの学ぼうとする意欲の高さに驚かされました。
私が携わった生徒たちは、入国以前に母国における六ヶ月の研修を受けていて、日本語を全く喋られないわけでなく、ひらがなとカタカナはマスターしていたため、そこから先は動機付けが重要でした。自発的に学ぼうとする気持ちを醸成していくのが大事なことで、学習するメリットを理解してさえもらえれば、後は勝手に勉強してくれるという仕掛けです。企業側が、日本語能力試験合格に対し、報奨金というニンジンを用意していたのも効果的だったと思います。経営者がそのことをよく理解していたのも大きかった。そこを繋いでいくのも、日本語教育に携わる者の務めでもあったのです。受け入れ側が本気で対応すれば、失踪なんてことは起こるハズもないわけで、若い男女が一生懸命に取り組んでいる様子は日本人への刺激となっていました。
外国人の雇用で問題を起こした業種は、限られています。
農業・漁業・建築・縫製などです。いずれも顧客とのコミュニケーションを必要としておらず、未だにパワハラ傾向が収まっていない、教えベタの業種です。つまり、失踪者が出るなんて話は、受け入れ側の問題であって、外国人労働者全体を悪者として語るなどは、認識不足も甚だしい。
投機的な土地購入の問題は明らかに行政の怠慢だし、治安悪化や生活保護などに関しては、悪質なデマゴギーだと思います。
トランプ大統領に刺激されたのか、国内における諸問題を外国人のせいであるように印象操作して、排外主義を煽る自民党トップが生まれたのが残念で堪りません。トップだからと言って、何でも自由にできるものでもなく、最初の威勢の良さは、どんどん潰されていくでしょう。石破茂で充分に学んだハズです。それが、さえないかたち、いや、たかいちさなえなのであります。