不幸な演技をさせたら右に出る者がいないのが満島ひかりだけど、その次だったらのん(能年玲奈)だと思います。
朝ドラの『あまちゃん』で光を浴びた彼女は、所属事務所とのトラブルで表舞台から10年近く、消されておりました。
女優が一番輝くときだったので、復活するのは無理だろうと思われていたのですが、ジャニーズ帝国の崩壊に伴い、芸能界の事情が変わったようで、不死鳥のように蘇ってきたのです。
もともとセリフが棒読みで、演技的には大根だったものの、表情に力があるってとこ、不思議な魅力が溢れています。生き様が不幸だったので、ニコニコよりも暗い顔が自然に見えるのは私だけじゃないように思います。
最近では、ABEMAのドラマ『ミス・キング』に将棋・女流棋士の役で主演しています。
このドラマは、天才棋士の父に捨てられた娘が、「史上初の女性棋士」を目指し、憎しみを抱く父に復讐していくという見てて恥ずかしくなるほど善悪が分かりやすい漫画チックなストーリーです。水戸黄門の将棋版。
将棋界は不思議なことに男女格差が大きく、女流棋士が男性に勝つなんてことはほとんどありません。
ずっと、そうでした。囲碁界では、男女が同じ土俵で闘っているのに、何故なんでしょうね?過去に何人かが、その壁を越えようとチャレンジしてきたものの、都度、跳ね返されてきたのが現実です。
ただ、ここへ来て、三人ほど対等に闘えそうな女流が登場しつつあります。AIが関係しているんでしょうか?
そんな時流を捉えたのが、仇討ちのストーリーになぞらえた『ミス・キング』です。水戸黄門だって、楽しもうと思って観れば、スカッとする。そういうものなのであります。