田舎での生活は、登場人物が限られているので、息苦しさを感じることがあります。
何かレッテルを貼られると、その先入観から逃れられなくなります。
かと言って、そこから新天地へ逃げ出そうにも、簡単な話ではありません。
家族という括りが都会にはないような距離感を持っているからです。
故郷を離れて、単身で都会へ行くというのは、特別な勇気が必要となる。そんな気がします。
『八月の母』(早見和真著・角川文庫)は、そんな地方での濃密な人間関係を描き切った作品です。
ずっと生活していると、誰と誰がどうだって人間関係まで分かるようになる。それが息苦しかったりするのです。
都会でしか暮らしたことがないと、理解できないんだろうなと、ちょっと思いました。
【テーマ】タイトル・時代性・学習性 16点
【文章技巧】読みやすさ・バランス 16点
【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 15点
【構成】つかみ・意外性・スピード感 14点
【読後感】爽快感・オススメ度 15点
【合計】76点