厚生労働省によると、仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上自宅で過ごしている状態を「ひきこもり」と定義しています。内閣府の調査では、15~64歳で約146万人(50人に1人)と推計されていて、平均年齢は34、4歳。主な原因は人間関係の挫折で、長期化すると家族の高齢化による孤立や経済的困窮が深刻化し「8050問題」にも発展すると危惧されています。
対象者が多様な背景を持つために、支援は個別対応が重要で、厚生労働省や自治体が相談窓口や居場所づくりを進めていますが、本人や家族の孤立が大きな課題となっています。
こういうのって、関係ない人には全く理解できない話だったりするので、親たちは「みっともない」とか「自分の育て方が悪かった」などと思い悩み、事実に蓋をしようと考える。実際にはもっともっと多くの対象者がいるやもしれません。
『ひきこもり家族』(染井為人著・光文社)は、 ひきこもりの少年とひきこもりの息子を持つ母親の、二つの視点で物語が進み、その過程でそれぞれの立場によって見方や考え方が変わってくるという描き方が圧巻でした。いつもながら、染井為人の心理描写は素晴らしい。本当にその人がいるみたいに感じられました。
【テーマ】タイトル・時代性・学習性 18点
【文章技巧】読みやすさ・バランス 18点
【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 19点
【構成】つかみ・意外性・スピード感 17点
【読後感】爽快感・オススメ度 18点
【合計】90点