外資系生命保険大手のプルデンシャル生命が、社員ら100人超が約500人の顧客から計約31億円をだまし取るなどしていた問題で、記者会見を開きました。保険会社の職員が、お客様のお金を横流しするような事件は、これまでもいろんな会社で起きておりましたが、これだけ大勢の社員が手を染めていたとは、開いた口が塞がりません。
プルデンシャルが日本に進出して来たのは1981年です。生保業界は、極めてドメスティックであり、日本生命や第一生命などの会社が戦争未亡人と揶揄される女性外務員を大量に採用して、GNPいわゆる義理・人情・プレゼントという独特の手法で展開してきた業種で、なかなか外資の新規参入が難しいとされる、そういう業界でした。
最初に風穴を開けたのは、医療保険という隙間を狙ったアリコジャパン(1973年)であり、続いてアメリカンファミリー(1974年)が「がん保険」という鉱脈を見出したのです。ただし、いずれもがそれまでにない代理店制度を利用したもので、国内生保とは正面からぶつからない戦略を採っていたのです。
しかしながら、プルデンシャルは、国内生保が得意とする土俵に敢然と上がっていきました。ただし、営業に関わるのは男性社員のみ。しかも、業界未経験であることを採用条件としたのがユニークでした。
私が青年会議所で活動していたとき、同じ部会の仲間に同社の社員がおりました。友人から聞いた話では、前職がクルマのディーラーでトップセールスだったということで、なるほど、そんな感じを漂わせていたのを思い出します。30年前だけど、年収一億を超えてるって言ってました。そんなのがゴロゴロいるそうで、スゲェなと驚いたものです。やればやっただけの歩合システムは、ファイナンシャルプランナーとして完全武装した男性営業が、ブルーオーシャンをグイグイ進んで行ったのでしょう。
だけど…なんだってそうだけど、後続の社員になるほど、ハードルは上がっていくんでしょうね。夢ばっかり見させられる。人材もしょぼくなっていきますからね。トップセールスが、そんなに集まるわけない。
そんな中で、どうやったのかは知らないけれど、狡猾でアンタッチャブルな技がノウハウとして広がっていく。闇バイト情報みたいな話です。
衆院解散に時期を合わせた記者会見も、極めて誠意に欠けるものでした。
いやぁ、詰みましたね。保険みたいに形のない商品を取引する会社は信用を失ったら終わりです。