レコードやCDなどの内容を全く知らない状態にも関わらず、店頭で見かけたパッケージ(ジャケット)のデザインに好印象を受けて購入することを「ジャケ買い」と言うそうです。
私の場合、書籍でそういうことが頻繁にあります。まず、タイトルに惹かれて、次に腰巻きに目を通す。その推薦コピーが誰によるものかも結構重要だったりします。
中国の大使を務めた丹羽宇一郎氏の『死ぬほど読書』(幻冬舎新書)がまさにジャケ買いで、2017年に購入して、そのまま書棚に飾っておりました。昨日まで読んでません。何故って、タイトルで大体が分かるから。腰巻きには「本を読む人にしか、わからないことがある」と本人によるメッセージ。そのとおりですよね。
最近になって、昨年末に丹羽氏が亡くなっていたことを知り、改めて引っ張り出してきました。追悼読書。
当然ながら、珠玉の言葉が散りばめられております。
中でも「セレンディピティ」という言葉が出てきたのが印象的でした。この言葉は、外山滋比古氏の『乱読のセレンディピティ』という本で学んだものですが、意味は「素晴らしい偶然に出会ったり、予想外のものを発見する」ということ。いろんな人と出会って知見が高まると、セレンディピティが起こりやすくなるわけだけど、本を読むということは、いろんな人と出会って付き合うのと同じことで、自分の中に引き出しがたくさん出来て、問題意識が生まれやすくなる。つまり、脳内にある思考の棚にさまざまなフックが出来るんだと。丹羽氏と外山氏が繋がりました。
若い人とコミュニケーションを取ろうとしても、フックが少ないと会話が続きません。
いやぁ、そういうことなんです、読書の効用。ストレートじゃなくて、フックなんだなぁ。