オードリーの若林正恭は、苗字が同じ上に誕生日が一致していて、身長169㎝、中学時代にラグビーをやっていたのも一緒なので、特別な親近感を持っています。だから、出演している番組のほとんどをチェックしています。彼がMCを任されることが多いのは、気遣いの人だからで、前に出過ぎることのない芸風が同業者に好かれている所以です。
その代わり、メンタルをやられやすいらしく、偏頭痛持ちで、あまりに治らないから精神科まで受診したようです。
どちらかと言うと、みんなで集まってワイワイやるよりも、自宅に引きこもって読書する方が好きだと言ってます。
その才能は、文筆業にも向かっていて、これまでにエッセイを3冊、この春には小説を執筆したというからビックリです。二刀流へ挑戦中。
『ナナメの夕暮れ』(文春文庫)は、四十歳を前にして、斜に構えていた姿勢から脱却、世の中を肯定的に見るようになった気持ちの変化を綴った三冊目のエッセイです。
その中の「ナナメの殺し方」の一節で、他人を否定的に見る癖を直そうと、人物評のノートを作って無理矢理にその人を肯定しまくった話を書いていました。大リーグボール養成ギブスならぬ他者肯定養成ギブスだと言うのです。なるほど、どんな人間にも良いところが必ずあるもので、それに気が付かないのは、角度が悪いということだと。トップを快走する人は、なかなか気付こうとしない視座です。何でも否定ばかりしている人は、世界を否定していることになる。だから、生きているのが辛いのだとは、瀬戸内寂聴レベルの悟りでありました。