自慢じゃないけど、東海林さだおにハマっていて、書棚には30冊以上が並んでいます。
スケベな気持ちはありながら、女性に積極的になろうにも方法が分からず、そのモテない体験談を漫画で表現した人のさきがけです。下ネタの一歩手前という絶妙なポジショニング。新聞や雑誌に多数連載を抱えていたものの、パターンはほぼ一緒で、それでもニヤッとさせられる。爆笑じゃないんです。「フッ」程度の小笑い。
そして、モテないのと並ぶ自虐の定番が貧乏です。本当はたくさん稼いでいるハズだけど、貧しさをテーマに深掘りします。森永卓郎は、彼を真似しました。キーワードはセコさです。そのみみっちさの追求においては、他の追随を許しません。
漫画以上に才能を発揮したのがエッセイです。飾りっ気のない素直な文章は極めて読みやすく、多筆であることと合わせ、才能の塊でした。
その金脈はB級グルメです。庶民の多くが経験済みである食べ物について、改めて文章で味や匂いや見た目を再現するというのは、夏井いつき先生並みの卓越した語彙力あってのもの。そして、何かについての長所を見つけ出す能力が素晴らしい。食全般の太鼓持ちでありました。
享年88歳。合掌。