警察が正義の味方として描かれたのは昔の話で、実際には、いろんな悪が潜んでいるのをミステリー小説が暴いています。
大物政治家絡みの犯罪を隠蔽するように圧力がかかったり、ヤクザ組織に情報を流していたり、組織ぐるみで裏金作りに励んでいたり…それはもう叩けば埃です。その構図は、水戸黄門における悪代官たちみたいな話。敵味方をハッキリさせて描きたい作家にとって、羊の皮を被った狼という設定だと筆が進みやすいのです。
『逃亡刑事』(中山七里著・PHP文芸文庫)は、主役に身長180㎝の別名アマゾネスの女性刑事を抜擢しました。小2の子供とコンビを組ませることで、余計に世間を味方に惹きつけようとしています。暴対を専門とするむくつけき男たちとの対比でヒロインぶりを浮き立たせました。
そんなわけあるかの荒唐無稽をスピード感溢れる文体に載せて、疾走しての一気読みです。お見事‼︎
【テーマ】タイトル・時代性・学習性 16点
【文章技巧】読みやすさ・バランス 18点
【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 19点
【構成】つかみ・意外性・スピード感 19点
【読後感】共感性・爽快感・リアリティ・オススメ度 18点
【合計】90点