ダウ90000の蓮見翔が岸田國士戯曲賞なるものを受賞しました。
その作品が出版されたと聞き、信者の私は早速Amazonで手配。届いて直ぐあっという間に読み終えました。
戯曲なので全編が会話スタイルなのと、170ページと短いので、二時間弱での完了です。公演に出かけたみたい。
タイトルはベタで『ロマンス』(白水社)です。わずか四日間の男女の出逢いを振り返りつつ描いたもので、登場人物が二重三重に重なるので、なかなか理解が追いつかないんだけど、読者も含めて行き違いのもどかしさに落とし込んでいる展開が素晴らしい。
会話や仕草から、ちょっとしたニュアンスを見落とさず、一を聞いて十を知るみたいに成長していくのが恋愛道だけど、初心者は気付きのレベルが低く、そこのところを突っつくことで、甘酸っぱさが広がっていくという仕掛けです。
天才蓮見は、言葉に異常なほど敏感で、至る所にたとえツッコミの要素を入れ込んでいました。
例えば、マクドナルドへほとんど行ったことがないという友人に対してこんな感じ。
「玄関に花瓶があるタイプの家だ」
「なにそれ、あったけど」
「ほらね。生活が丁寧だもん。ウーバー配達員に聞いてみたらいいですよ。マック頼むやつの家の玄関に花瓶があったこと一回もないと思う」
「そうなの?」
「花で四季を感じるでしょ?僕らマックですもん。春桜でしょ?僕らてりたまですから」
これが面白くない人には、読み続けても結構無駄な時間になるかもしれません。いや、油断してると見逃します。
天才蓮見は、言葉のグラディエーションという必殺技を持っているのであります。
【テーマ】タイトル・時代性・学習性 17点
【文章技巧】読みやすさ・バランス 18点
【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 20点
【構成】つかみ・意外性・スピード感 19点
【読後感】共感性・爽快感・リアリティ・オススメ度 20点
【合計】94点