『このミステリーがすごい! 2026年版」国内編1位、『週刊文春ミステリーベスト10 2025』国内部門1位、『ミステリが読みたい! 2026年版』国内篇1位とあれば、読まずにはいられません。
『失われた貌』(櫻田智也著・新潮社)です。
顔や手首が切り落とされた変死体が発見されるという始まりは、よくあるミステリーですが、そこから先が結構複雑で、その絡み合った事情を伏線回収するところも、たっぷりのなるほどでした。
しかしながら、どうにもその世界に入り込みにくいのは何故でしょう?
読み手の理解力不足もあるとはいえ、何かモヤッとする一つの理由は、個々の人物に感情移入がしづらいところにあるように思いました。魅力が足りないんです。だから、ぼんやりしていると、誰のことを言っているかが分からなくなります。
それと、状況描写の筆力が弱いため、脳内に景色が浮かんで来ないってのもあると思います。そこが、トップレベルとの違い。偉そうでスミマセン。
プロットは本当に素晴らしいんだけど、細かいところが弱いような気がしました。
【テーマ】タイトル・時代性・学習性 16点
【文章技巧】読みやすさ・バランス 15点
【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 15点
【構成】つかみ・意外性・スピード感 20点
【読後感】共感性・爽快感・リアリティ・オススメ度 18点
【合計】84点