立て続けに首のない死体を取り扱ったミステリーを読みました。
容疑者が謎のまま進めていくために、考えやすいストーリーなんだと思います。
実際には、どうなんでしょう? あまり、聞いたことがありませんし、捜査する関係者はイヤだろうなと想像はできます。その作業は大変らしい。読者としても、ちょっとねぇ。
残酷なシーンを生々しく描いたのは誉田哲也の『フェイクフィクション』(集英社文庫)です。
新興宗教を舞台に、いろんな思惑が重なって、ドキドキさせる展開は流石です。心理描写が上手いので、脳内で登場人物が動き出すってとこが、ちょっと前に読んだ『失われた貌』との違いです。エグいシーンをもうちょっとオブラートに包んでくれるといいんですけどね。
作品の中で、教祖の主張に賛同したヤクザの言葉がゾクッとしました。
「旧約聖書なんて始まりは二千何百年も前だぜ。今でいう娯楽なんざ、何もありゃしねえのさ。そんな時分に、この世界はこうやって神様が創ったとか、ダビデはこうやってゴリアテを倒したとか言えば、そりゃみんな夢中になるさ。(中略)漫画や小説にだって、人の心を癒したり、救ったりすることはできる。聖書は、そういう娯楽の最古の古典だと思えばいい」
なるほど、作り話であるのを前提に、面白いとこやタメになることを織り交ぜて教義を創り出すのが、新興宗教の腕の見せどころとなるわけです。どこかしら、AIっぽくはある。勉強になりました。
【テーマ】タイトル・時代性・学習性 17点
【文章技巧】読みやすさ・バランス 18点
【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 18点
【構成】つかみ・意外性・スピード感 17点
【読後感】共感性・爽快感・リアリティ・オススメ度 18点
【合計】88点