都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

ドンナ ビアンカ

ちょっと前にベトナムの技能実習生を生徒として、日本語を教えておりました。

その多くは、20代前半の未婚の女性です。

技能実習とは建前で、実際は出稼ぎです。映画『三丁目の夕日』における堀北真希みたいな子たちを思い浮かべてください。田舎から集団就職でやって来た感じ。稼いだお金の多くを本国へ仕送りします。

ベトナムはお国柄でもあるんでしょうけど、家族や仲間を大事にします。特に、北の子は真面目な人が多い。だから、一生懸命働きます。

同世代で比べると、日本人とは大違い。

その会社の理解が高く、環境も整えられていたこともあって、私の授業に一生懸命取り組んでいたのが思い出されます。

もう30年(!)若ければ、恋愛感情を持ったと思います。それぐらいに、それぞれが魅力的でありました。

 

『ドンナ ビアンカ』(誉田哲也著・新潮文庫)は、キャバクラで働く中国人留学生と彼女と偽装結婚をさせられた男が、狂言誘拐事件に巻き込まれるという、ハードコアでグロテスクないつもの誉田作品とは全く違うまさかの純愛物語でありました。読者レビューなどでは、現実的でないお伽話だと一蹴する人がおりますが、外国人労働の現場をかじった私は、むしろリアリティーを感じています。言葉が不自由であることにつけ込んで、騙そうとする日本人は、結構いると思います。また、外国人を下に見て、少々の蛮行は許されると考えている輩(やから)もそれなりに。

異国の地で働く孤独感も想像するに難くない。そんな時に思いもよらず、頼られる日本人。とってもよく分かるのでありました。

ちなみに、「ドンナビアンカ」とはイタリア語で「白い女性」を意味するんだそうです。白い=ピュアってことですね。なるほど、言葉や情報が少ないと、ピュアは余計に炙り出されていくものなのであります。

 

【テーマ】タイトル・時代性・学習性 17点

【文章技巧】読みやすさ・バランス 18点

【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 20点

【構成】つかみ・意外性・スピード感 17点

【読後感】共感性・爽快感・リアリティ・オススメ度 19点

【合計】91点