出版不況の流れの中で、業界は手を変え品を変え、いろんな策を打って出ます。
中でも、その小説が映像化された時、その機会を逃すまじと勝負します。それが、ダブルカバーです。
それまでのカバーを覆うようにして、映画やテレビに出演した俳優のスチール写真を使用したやつ。
そりゃ、目を惹きますからね。映画やテレビにだって、少なからず宣伝効果がある。共存共栄です。
実際、その作家に興味がなかったとしても、演者にファンがついてますからね。作品のイメージを想起させやすいってのもあるでしょう。
誉田哲也の『アクトレス』(文庫)がダブルカバーでした。と言っても映ってる二人の女の子は誰だか知りません。坂道グループの人らしく、ファンだったら分かる感じです。
で、内容なんだけど、姫川玲子シリーズの誉田哲也とは思えないようなソフトタッチ。入れ替わり立ち替わり、主人公っぽい女性が出てくるものの、キャラが立ちきっていないから、どれも似たような雰囲気で、まさに坂道グループの歌謡ショーを見ているみたい。無理だと思います。男性作家が大勢の女性を描き分けるのって。むしろ、映像にしないと成立させにくい、そんな気がしました。
【テーマ】タイトル・時代性・学習性 15点
【文章技巧】読みやすさ・バランス 17点
【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 15点
【構成】つかみ・意外性・スピード感 18点
【読後感】共感性・爽快感・リアリティ・オススメ度 15点
【合計】80点