翌日は、長田区を中心に避難所を取材して回りました。
全国各地から集まってきた学生が、大勢いました。
これがいわゆるボランティアか。
春休みが終わるまでに、避難所の自治組織を確立させるべく、いろいろと仕掛けているのだけれど、(住民の)反応が鈍くてイラ立っていたのは意外でした。
避難所である体育館には、あちこちでお年寄りがジッとしています。することがないから。
そういうのって、必ずしも地震が原因ではありません。
老人の対応に不慣れな若者たちにとって空気が重く、気が滅入っている様子でした。
お風呂を見せてもらいました。
ドラム缶を並べてテントで囲っただけのものですが、それでも最初のうちは大喜びで入っていたらしい。
しかしながら、今は違う。
「ぬるい、風邪を引いてしまう」「お湯を取り替えてください」
当然のように要求されれば、戸惑いも大きいのです。
こうした事情は、避難所ごとに少しずつ異なっていました。
いわゆる避難所格差。
交通の便が悪く、マスコミに取り上げられにくいところの体制は、充分でありませんでした。
そのほかにも、大勢のボランティアから、いろんな話を聞くことができました。
たくさんの価値観がぶつかり合いながら、お互いを高めあっている感じです。
そして、会社員は会社に所属していることで、いろんなものを享受していることも再認識。
自分たちに何が出来て、何をしたらいいのかを、たくさん考えさせられました。
(つづく)