都会のネズミと田舎のネズミ

時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。

がん遺児奨学基金②

前職で長く携わっていたがん保険の支払い業務では、お客様とのやりとりの中で、いろんなことに気づかされます。
宣告を受けた患者さんの心の揺れ、それを見守る家族の気遣い、職場の同僚など友人の励まし…そんなドラマを三千例くらい見てきましたから。
そういうのって、人生観に影響しますよ。
お医者さんや看護婦さん、ケースワーカー、時にはお坊さんのようなポジショニングです。
それはもう、いろいろ感じなかったら、ウソですね。性格が変わりました。

病気と闘う患者さんや家族、それにお医者さんのことは、ある程度、理解してきたつもりですが、それはそれだけのことで、人生の輪切りになった一部分にすぎません。
病気に襲われた家族が、その後、どういう生活を送っていくものかは、ずっと気になっておりました。
それが、奨学基金の選考書類で遺された子供たちの頑張っている姿に接したことで、

  「この子たちに会ってみよう」

と思うに至りました。
だとしたら、簡単です。
基金の中で、募金協力者(主として社員や保険代理店)に対し、広報紙を発行することになり、「奨学生を訪ねて」という企画が通ったため、取材をさせてもらうことにしました。
こういうのって、本当は管理職の仕事でなく、若い社員や広告代理店に投げるものなんですが、現場が好きな私は「育てる」とか「任せる」なんて、ほとんど考えません。
サラリーマンに向いてませんねぇ(だから、辞めました)。

そこそこ大きな会社に勤めていると、同じような種類(レベル)の人間としか付き合う機会がないのは問題だと思います。
それは、忙しすぎるから。
他社の友人にすら、会うヒマがない。だけど、

  全然違う世界で暮らす人の価値観に触れてみると、いろんなものが違った形で見えるようになる。

それが、この「奨学生を訪ねて」の仕事から得た教訓です。
いろんな土地であり、生活レベルがあり、家族の環境があり…何より対象者は高校生ですからね。
父親が亡くなるというのは大変なことですが、いつまでも悲しみに浸っているわけにはいきません。
一度、リセットすれば、新しい目標や喜び、希望が生まれてくる、そういうものです。

  「人は意識していないものは見えない」
  「大事なのは、考え方(ポジティブシンキング)である」

取材した内容を原稿に落とすのは、簡単じゃなかったけれど、自分の中では“ルポライターごっこ”として、楽しく成立していました。
これも考え方なのであります。いい気なもんだねぇ。