達川光男という人は、身体に当たってもいないにも関わらず大げさに演技し、デッドボールを勝ち取る芸で、珍プレー大賞の常連となったカープ黄金時代のキャッチャーです。
広島弁丸出しで、飾り気のないお茶目なキャラは、未だにたくさんのファンがいることでしょう。
この人の春から始まったブログ『達川光男のものがちがいます』が面白い。
とくに、同期生である江川卓に関して綴った章は最高でした。
→http://wwwz.tss-tv.co.jp/tatsukawa_blog/20110811_1
当時、達川の広島商業は、春の選抜準優勝、夏の大会優勝の強豪校でした。
当然、怪物江川を意識して、必死で猛練習するわけです。
後日、江川と達川、それに現広島監督の野村が会談したとき、野村が江川に
「江川さんは、達川さんがライバルだったんですか?」
と尋ねると、
「いーや。俺は、達川をライバルだと思ったことは、一回もないなぁ。達川に、全力で投げた ことは、一回も無いもん。俺のライバルは、掛布よ」
ですって。
ちなみに野村は達川の十年後輩。形無しです。
そこから感じたことを独特の口語体で綴るわけですが、これは最早芸術です。
新しい文体の可能性を見つけました。
そして、キャッチャーがいかに知恵を絞って守りについているかを垣間見たような気がします。
ご馳走様でした。