都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

平成三十年

例えば、ブティックに勤めている人は、他の人のファッションについて、細かいチェックが入ります。
新車を買おうと思っている若者は、駐車場に停まっているスタイルのいいクルマを見逃しません。
活字中毒者は、他人の書庫にある本が気になってしょうがない、そういうものです。
つまり、人は意識しているものは見える。
意識していないものは見えない。
もっと言えば、意識の高い人は、見えている景色がボーっとしてる人と全然違っているのであります。

そういう意味で、スゴイなぁと思うのが堺屋太一氏です。
彼は、何故いろんな景色が見えるかと言うと、通産官僚のキャリアがあり、作家でありながら閣僚も務め、大学教授でもある。
民であり官であり政治家でもあったわけで、それぞれの立位置で見えるものが違うからなんです。

その集大成とも言える作品が、15年前に著した未来予測小説『平成三十年』です。
ここでは、消費税率12%で、貿易収支は500億ドルの赤字。円安が続いて1ドル=240円。物価は急上昇、特に世界的な資源危機で高騰したガソリンが、リッター千円も。少子高齢化が更に進み、地方の中間山地は超過疎化している。情報技術や個人サービスのニュービジネスは盛んで、数々の新製品が普及してはいるものの、官僚主導の規制と若者の高等遊民化で社会全体に活気を失っている…。
リアルですね。よーく見えていらっしゃる。
この予測の大前提は「何もしなかった日本」、つまり抜本的な体制改革や体質変更をやらないまま平成三十年を迎えてしまった日本の姿を描いているのであります。

うーん、15年経ったけど、世の中何も変わっていないですね。
政権交代したけど、何も変わらない。
だから、中央政府に期待してはいけません。
道州制などの地方分権、小さな政府、規制緩和官僚主義の排除を推進すべきだと主張しています。


そして、ほぼ同じ意見で、橋下徹大阪市長と合体。
この二人に元経産相官僚の古賀茂明氏を加えたチームは強力です。
しばらくは、大阪の行政から目が離せません。