関越自動車道でのバス事故にはビックリしました。
それは、夜行バスの運賃が、異常なまでに安いこと。
石川県の金沢から浦安のディズニーランドまでが、3,500円ですって。
飛行機だと、羽田まで往復の格安チケットで24,800円だと言いますから、乗客の疲労感を考えたとしても、充分な競争力を持っています。
ニーズがある。
その代わり、バス会社は儲かりません。
だから、交替要員なんて準備できないし、勤務状況が劣悪になります。
業界では、この手のものをツアーバスと呼び、従来からある路線バスと一線を画しています。
つまり、前者の主体は旅行代理店、後者の主体はバス会社となっているのです。
旅行代理店に対しては、道路運送法ではなく、旅行業法の縛りがかかる。
そうなると、安全運行についての認識が、バス会社とズレてくるのも仕方ないところ。
目的が違いますから。
したがって、国土交通省が運転者の1日の最大走行距離を670キロメートルとした指針に対しても、路線バス事業者が社内規定でそれよりも走行距離を短くしているにも関わらず、貸切バス事業者ではこの指針をオーバーしているのが実情なのです。
路線バスは大手が多いけど、ツアーバスは中小なのも問題が起こりやすい。
つまるところ、デフレのせいですね。
価格競争を続けていると、こういうことになる。
恐らくは、規制の数値が上がるのでしょう。
それによって、中小の業者はますます苦境に追いやられる。
デフレスパイラルは続いていくのであります。