都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

紺屋の白袴

子供のころ、家がお寿司屋さんだったらいいなと本気で思ってました。
昔は、回転寿司なんてありませんから、お寿司と言ったら、本気のやつと、あとは巻いたのと袋に包んだのと色がきれいなだけのもの。
本気じゃないのは、どれもサカナが絡んでおらず、寿司と言うより、酢メシと言ったほうが相応しいシロモノでした。
だから、チャンスはAランクのお客さんが来て、ギリギリ頑張って出前を取って、奇跡的に少しだけ残ったやつを興奮して食べるのが関の山。
それも、姉がいたので倍率は二倍です。
全体像がぼんやり見えているものの、完成された形でめぐり合うことはない。
これが、少年時代のお寿司でした。

そんなんだから、お寿司屋さんの子供に憧れていました。
うーん、あそこの子供は、連日、お客さんが残したやつを食べているに違いない。
所詮、子供の浅知恵なので、完成品だとは考えません。
お店の経営のことを配慮して、残り物を。
それでも羨ましい。だけど…

全然、違ってました。
そういうもんじゃない。
私は、この仕事を始めてから、刺身を食べなくなりました。
何故って、美味しくないから。
美味しいやつは、お客様に出します。
だけど、売れ残ってしまうものもある。
いくらだって、あります。
捨てるのはもったいないから、そういうやつばっかり食べるようになる。
ねっ、美味しくないの、分かります?
うーん、面白くない!!