前にいた会社は外資系のアメリカ企業でした。
しかしながら、不思議なことに、幹部スタッフがすべて日本人。
現地のことは、現地に任せるというスタンスでありました。
これは、経営スタイルとしては極めて稀な例ではないでしょうか?
残念ながら、アメリカ人は差別意識が強く、日本という国を下に見ているからです。
それでは何故、前の会社は良好な関係を保てたのか?
日本人トップのセンスが素晴らしかったのはもちろんですが、もう一つ、その会社の本社がジョージア州(南部)の州都アトランタから300キロ(日本だったら東京~名古屋)ほど離れたコロンバスという辺境の地にあったからです。
つまり、アメリカのド田舎ってこと。
進歩的な日本人と保守的なアメリカ人は、実に釣り合いがとれていたのです。
マーケティングについては、ほとんど口を挿まないのが功を奏し、停滞する業界としては、記録的な躍進を遂げたのでありました。
いやぁ、田舎者でしたよ、本社のアメリカ人。
日本社にやってきたとき、一応背広は着ていたものの、カウボーイハットを被っていたのには、流石に驚きました。
その会社、売上げの80%を稼ぎ出す日本社の貢献によって、アメリカの中でもどんどんステイタスが上がり、南部の片田舎の会社だったものが、ニューヨークでも幅を利かすようになりました。
その結果、ヘッドハントにより人材が集まり、日本の経営にどんどん口を出すようになって、今では役員陣に青い眼がゴロゴロするようになったのです。
やっぱりねぇ。
一部のエリートアメリカ人は、日本を属国だと思っています。
信用なんかしていません。
英語が出来ないから、バカだと思っているかも。
だって、アメリカじゃ、赤ん坊だって話せますから。
(つづく)