都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

冷血

大衆小説に与えられるのが『直木賞』で、純文学に与えられるのが『芥川賞』らしい。
小説といえば、推理ものにしか興味のない私は、芥川賞作品を読んだことがありません。
美しい表現や文章に接しても、それを感じ取るレベルにないというところでしょう。
花鳥風月を楽しむにしたって、前提としてある程度の名前を知らなきゃ難しいのでねぇ。
なんちゃって読書家は、サスペンス止まり、そんなもんです。

久しぶりに痛風の症状が出たので、居酒屋通いを止め、手にしたのが『冷血(上・下)』(高村馨著・毎日新聞社)です。

  <スタッフ募集。一気ニ稼ゲマス。素人歓迎>
  求人サイトへの思いつきの書き込みから、顔を合わせたばかりの男たちが、
  衝動のままにATMを破壊し、通りすがりのコンビニを襲い、目についた住宅に侵入、
  一家殺害という凶行におよぶ。
  彼らはいったい何者なのか。

上巻の腰巻コピーに惚れて、買い込みました。
犯人の一人が常用していた『ボルタレン』が、私の痛み止めと同じ銘柄なこともあって、私も人の痛みが分かる人間になったなぁと感慨もひとしおです…上巻までは。

うーん、サスペンス小説のつもりで読んでいたら、下巻はまるで純文学の世界でした。
ただただ、実力の違いを見せ付けられるような感じ。
文章が難しくて、なかなか前へ進めませんでした。上巻は面白かったんだけどねぇ。
ちなみに、後から知りましたが、著者は女性とのこと。
犯人も警察もオトコばっかりだし、考え方や心理描写もリアリティに満ちたものでありました。
女性が書いたって思わせないのがすごいのか、気が付かない私がひどいのか?