都会のネズミと田舎のネズミ

時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。

コント台本

久しぶりに母から電話があり、自分が所属する合唱サークルのイベントの中で、出し物の合間に「オレオレ詐欺」防止啓発の寸劇をやることになったので、台本を作って欲しいと。
誰が演じるのかと尋ねると、当然のように自分がダマされるお婆さん役だそうで、80過ぎて、ようやるわいと思いつつ、コント作家になりたかった血が騒ぎました。
やりましょう。
で、今日はちょっと長いよ。


コント『カード詐欺』

     ♪トゥルル、トゥルル
大桃   もしもし・・・
麻木   大桃百代さんのお宅でしょうか?
大桃   はいそうですけど・・・
麻木   私、湾岸警察署・刑事課の麻木と申します。
大桃   えっ?詐欺??
麻木   いえいえ、あ・さ・ぎです。
     麻原彰晃の「あさ」に木嶋佳苗の「き」と書いて「麻木」。
大桃   木嶋佳苗って、あの練炭の??
麻木   はぁ、そんな名前しか浮かばなくって。
大桃   警察っぽくないわね。
     それで、サギさんが何のご用?
麻木   あ・さ・ぎです。
     あなたが大桃さんだから、麻木。
     分かりますね?…(少し間を置いて)付いてきてくださいよ~。
大桃   (きょろきょろして)誰?誰に言ってるのかしら?
麻木   えー、突然のお電話で失礼いたします。 
     実は先日、振り込め詐欺の犯人を逮捕したんですが、そのときに大     桃百代さんの口座が使われていたことがわかったんです。
大桃   ええっー、本当ですか?
麻木   驚かれたと思いますが、残念ながら本当です。
     本当のことなんですよ。
     私は警察ですから、嘘なんかつきません。
     嘘つきは泥棒の始まり、ホントつきはおまわりさんの始まり。
大桃   ホントつきですか?
麻木   それでですね、早く手続きしないと銀行口座が凍結されて、預金が     下ろせなくなってしまうので、急いでご連絡差し上げた次第です。
大桃   まぁ大変。
麻木   それで、確認させていただきたいんですが、大桃さんはどちらの口     座をお持ちでしたか?
大桃   どちらって?
麻木   銀行です。銀行の名前。
大桃   なんでしたっけ、ええっと、『寿限無』みたいなやつ。
麻木   『寿限無』?
大桃   名前が増えていくんです。どんどん長く。
麻木   あ~、三ツ星ですね。三ツ星東京じぇじぇじぇ銀行。
大桃   そうそう、それです。
     最初は三ツ星銀行っていい名前だったのに、東京三ツ星になって、     その後、じぇじぇじぇ銀行と一緒になって…
     利息は上がらないのに、名前は三倍返しだわ。
麻木   大桃さん、落ち着いてください。
大桃   それで、どうすればいいんでしょうか? 
     私の口座は大丈夫なんですか?
麻木   三ツ星東京じぇじぇじぇ銀行でしょう?
     ちょっと待ってくださいね。
     (しばらくして)大丈夫ですよ、大桃さんの口座は、まだ被害には     合っていません。
     よかったですね。
     ただし、このままにしておくと、預金を下ろせなくなりますので、     お手持ちのキャッシュカードを作り代える必要があります。
     新しいカードを作るために、今から三ツ星東京じぇじぇじぇ銀行の     担当者をお宅に行くよう手配しますわ。
大桃   ありがとうございます。助かります、ええっと、木嶋さん。
麻木   麻木です。
     麻原彰晃の「あさ」に木嶋佳苗の「き」と書いて「麻木」。
大桃   本当に助かります。
     あの、銀行の方はすぐ来てくれるんですか?
麻木   確認いたします。
     しばらくお待ちください…。
大桃   (独り言) 被害はなしですって。よかった、よかった。
麻木   もしもし、大桃さん・・・
大桃   ハイハイ、大桃です。大桃百代です。
麻木   お待たせしました。ちょうどよかった! 
     今、大桃さんの家の近くに山路徹子という三ツ星東京じぇじぇじぇ     銀行の方が、たまたま巡回されているとのことですので、すぐに伺     わせます。
大桃   あーら、やっぱり山路さんね。
麻木   やっぱりって…ご存知ですか?
大桃   いえ、独り言です。
麻木   山路さんは銀行の身分証明証を持っていますので、必ず確認をして     くださいね。
大桃   はいわかりました。久しぶりだわ。
麻木   えぇっ??
大桃   独り言です。
麻木   それから、手続きを速やかに行うために、暗証番号を教えてもらえ     ますか?あらかじめこちらから登録しておきますので。
大桃   暗証番号ですか?
     ええっと、(間をおいて)そんなもの教えて大丈夫でしょうか?
麻木   当然のご心配ですが、こうしている内にも口座から預金が引き出さ     れる可能性があります。なので、急いだほうがいいと思います。
     被害防止のために、ここは警察を信じていただいてですね・・・
大桃   ええっと…、わかりました。
     暗証番号は1・5・6・4です。
麻木   1・5・6・4。ひとごろし…?
大桃   まさか。「いちころよ」です。
麻木   あーあ、1・5・6・4「いちころよ」、ホッとしました。
     それでは、すぐに手続きしますから、ご安心ください。
大桃   よろしくね、サギヤマさん。
麻木   麻木です。

女    ピーンポーン
大桃   あ、誰かきました。
麻木   そうですか、山路さんかもしれません。
     玄関に出てください。
大桃   あ、そうですか・・・この電話・・・
麻木   あっと、お切りにならないで。
     山路さんと確認できたら、それで安心ですから。
大桃   そうですか?では、しばらくお待ちを。
     はーい!

         玄関口で

山路   失礼いたします。
     私、三ツ星東京じぇじぇじぇ銀行の山路徹子と申します。
     (胸のカードを指し示して)身分証明書です。
     湾岸警察の依頼で、キャッシュカードをお預かりにきました。
大桃   ああ、山路さんですか。
     (うっとりと)いいお名前ですね。
     あ、少々お待ちください。今、警察の方と電話中で・・・
山路   どうぞどうぞ、ご確認ください。
大桃   (電話で) お待たせしました。 
麻木   三ツ星東京じぇじぇじぇ銀行の山路さんに間違いないですか?
大桃   ハイ、間違いありません。銀行の方です。
麻木   そうですか、よかった! 一刻も早く手続きを済ませてください。     では、私は安心して電話を切らせていただきます。
大桃   どうも、ご親切にありがとうございます。(ガチャリ)

大桃   (玄関口へ) どうも、お待たせしました。
山路   どうも。
     誠に申し訳ないことですが、大桃様のキャッシュカードが大変なこ     とに…。
大桃   ハイハイ、警察の方から伺っております。
     これが、おたくのキャッシュカードです。(手渡す)
山路   確かに受け取りました。
     これ、受領証です。サインをいただけますか?
大桃   ハイハイ・・・(サインする) ハンコは?
山路   あっ、ハンコは結構です。
     (受領証をカバンにしまいながら)
     では、戻り次第すぐに手続きいたします。
     手続きが終わりましたら、新しいキャッシュカードをお持ちします     ので、しばらくの間、お待ちください。
大桃   ハイ、よろしくお願いします。
山路   では、失礼します。(女、いそいそと出て行く)

大桃   (観客の方を向いて)あ~あ、面白かった!
     あの口座、100円しか入ってないのよ。
     だけど、あの人たちも大変ねぇ。
     あれだけ頑張って、100円ですって。
     まぁ、私にかかれば詐欺の人もイチコロヨ!! 

      ジャンジャン!!