中学のころ、『頭の体操』という本が話題になっていて、シリーズを追いかけていったのを思い出します。
クイズ形式の問題は、詰め将棋にも似ており、ゲームおたくの好奇心を刺激したものでした。
ファミコンのない時代、前頭葉を刺激するにはまず、活字から入っていかねばならず、そういうものが好きな人は今よりずっと少なかったように思います。
設問と答えを頭の中にコピーして、友人に出題し、小さな感動を共有する。
学校の勉強では驚かないけれど、クイズだったらのめり込んでいったのは、何故なんでしょう?
著者の多胡輝先生は、顔を見たことないものの、私の中ではヒーローでありました。
その多胡氏の近著『100歳になっても脳を元気に動かす習慣術』(日文新書)が、久々のクリーンヒットとなります。
エッ、まだ生きてるんだ。
いやいや失礼いたしました。
何せ、『頭の体操』は40年以上前の作品ですから。
聞けば、同氏は87歳とのこと。
未だに現役で、本を出しておられるんですね。
やはり、脳は使い続けていれば、サビつかないんだと改めて納得しました。
同書でなるほどと思ったのは、以下のとおり。
・長生きしたけりゃ、笑うこと。犬や猿は笑わない。
・人を笑わせるなら、自分の失敗談を語れ。
・同時にいろんな作業を行う料理をする人は、ボケない。
・好きな歌は心を若返らせ、新しい歌は頭を若返らせる。
・定年で仕事を辞めた夫には、新たな役目を与え、意地悪な妻になれ。
・「くよくよ」はボケ、「あれこれ」はボケない
・ボケ思考から脱するには、寝て朝考える。朝は夜より賢い。
・「引越し」「模様替え」は、いやでも頭が活性化する。
・雑草という名の草はない。美しいと感じたら、名前を調べろ。
・レストランでの注文は、ときには人に任せてみよ。
・夫婦や仲間で食べに行ったら、同じものは頼まない。
歳をとると、病院に行ったり、薬をもらったりするのを有り難がるお年寄りが多いけど、こういう本を読んだほうが、よっぽど効き目があると思いました。