都会のネズミと田舎のネズミ

時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。

ISETAN-TAN-TAN

前職の話です。
昭和49年にわずか7名で始めた外資系の保険会社は、急成長を遂げ、創業20年めにして念願の自社ビルを手に入れました。
しかしながら、土地の高い東京ですから、便利の良い山手線の内側というわけにはいかず、京王線調布駅という郊外のベッドタウンに腰を落ち着けたのです。
駅前に、最先端のインテリジェンス機能を備えた11階建てのビル。
外からは、一階のカフェテリアがガラス越しに見えますが、セキュリティの関係で、一般の人は入ることができません。
当時、新宿にあった本社ビルからの移動で、会社側も配慮したのでしょう。
それはもう、そこに勤務する従業員を気遣った最高の職場環境でありました。
ただし、地元住民の方々にとって、マイナスに感じられることも多い。
たとえば、
・通勤時の混雑がひどくなった
・社員が横に広がって我が者顔で歩いている
・歩きながらのタバコが幼児の顔の高さにあり、嫌な思いをした
・夜遅くまで残業するから、いつまでも明るくて寝られない(正対する病院)
町内に住むお金持ちが、周辺住民と充分なコミュニケーションを取らないために起こりがちな、お高くとまっている的な感覚が多かったことでしょう。
私は新設された『社会公共活動推進課』という部署におりましたので、そういう情報が入りやすいこともあり、経営トップにお伺いを立てながら、地域貢献を果たすべく、策を巡らせる日々でありました。
そのときの社長・会長は、企業の使命ということに特に敏感なカリスマ経営者で、自ら地元の会合に積極参加されるなど、窓口担当としては、非常にやりやすい環境があったのもまた、事実です。
いろいろ考えた末、11月の創業記念日を含む週の土日を使って、自社ビルを地元住民に開放し、遊園地として楽しんでいただくことにしました。
目標はディズニーランドです。
縁日風のゲームあり、ボールプールあり、ふわふわランドあり、風船ピエロあり、格安バザーあり、映画あり、音楽ライブあり、将棋イベントあり、スポーツアトラクションあり…もちろん、カフェテラスもオープンです。
珍しいところでは、『全日本まんじゅうこわい選手権』の開催。
47都道府県から、その土地を代表する名物まんじゅうを集め、トーナメント形式で参加者に投票してもらうもの。
TBSラジオが取材に来ました。
このイベントを支えたのが、全国各地からの社員ボランティア。
300人からなるイベント当日のエスコート役はもちろん、バザーへの品物を供出することで、ほとんどすべての社員が協力を惜しみませんでした。
そういうことが実現できたのも、経営トップが積極的だったからなのは、言うまでもありません。
各種イベントにより、100万円を超えるチャリティー寄付金が集まりましたし、地域住民との交流が図れたのも間違いありませんが、そんなことより良かったのは、社員同士のコミュニケーションが良くなったことが挙げられます。
また、保険会社というものは、普段、お客様の笑顔を肌で感じることがほとんどないので、接客の喜びを知ることになりました。
そして、何よりも愛社精神の高揚に寄与できたこと。
その会社が本来業務以外で評価されると、本当に嬉しいものです。


今、老舗デパートである伊勢丹のプロモーションビデオがネットで話題になっています。→http://www.youtube.com/watch?v=gBwzxydX3rY
伊勢丹の大ファンであるという矢野顕子が作った軽快なオリジナル曲に乗せて、デパートの各フロアを背景に、約400名の社員がファッショナブルに踊りまくっています。
なんだか、伊勢丹で買い物したくなるような…広告って、こういうセンスで創り上げるものだと思いますね。
こういうものを認める会社の上層部に敬意を表します。