接戦に弱いところから、新米監督の采配批判がネットをにぎわした広島カープですが、我慢しながら若手を起用しているうちに形が出来上がりつつあり、史上まれにみる混戦の中、抜け出しそうな光が見えてきました。根拠は次の三点です。
(1)安定した先発投手陣
カードの頭にマエケン・黒田を配し、ジョンソン・福井・野村・薮田が控えるローテーションは、中六日のペースを崩すことなく、無理なく回っています。
先発投手を評価する指標として、クオリティスタート(6回までを自責点3以内に抑える)というのがありますが、これの比率を球団別に見ると以下のとおり。
広島 69.88%
巨人 62.92%
阪神 60.23%
中日 56.32%
横浜 53.41%
ヤクルト 52.87%
個人別では前田が93.75%でトップ。黒田が85.71%で3位。この二人がカードの頭で投げるため、ブルペンの負担が軽くなり、ゲーム展開を読みやすくしているというわけです。
(2)無理使いしていないリリーフ陣
前半戦を終えて、30試合以上登板しているのは、クローザーである中崎の37試合のみ。二番目が永川の23試合だから、平均年齢の若さも含め、後半戦へ向けてのスタミナは充分です。
一試合あたりの投手の平均起用数は、以下のとおり。
広島 3.31人
巨人 3.52人
阪神 3.66人
中日 3.68人
横浜 3.98人
ヤクルト 4.07人
何とかトップグループにしがみついている横浜・ヤクルトだけど、ブルペン陣の負担が大きく、そこから破綻していくと推測しています。
(3)独走している二軍チーム
ウエスタンリーグでは、二位のソフトバンクに6.5ゲームの差をつけて、カープが独走しています。
投手では、今村・九里。野手では、岩本・天谷・広瀬らがおり、栗原・東出も控えています。
外国人としては、ザガースキー・ロサリオが一軍枠を狙っていて、エルドレッドが夫人出産のため一時帰国しても、グスマンが上がるなど、リスクマネジメントも万全。
この中から、終盤戦の大事なところで戦力となる選手が出てくることでしょう。
監督の采配について、結果論をあげつらう素人ブログが氾濫しておりますが、私が思う理想の監督像は、方針を決めたら右往左往せず、簡単に動かないこと。
緒方監督は、無駄な動きが少なく辛抱が効き、ひょっとしたら古葉監督以来の当たりとなるような気がしています。
収穫の秋が楽しみだなぁ。