都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

オレが許さん!

プロ野球選手が、つまらない犯罪で三面記事をにぎわしているのをちょいちょい見かけます。
学生時代にそこそこ騒がれて入団したとしても、そんな人ばかりのプロの世界は厳しく、二十代半ばで職を失うというのも決して珍しくはありません。
そうなったときに、つぶしが利かないんですね、野球しかやってこなかったから。
かくして、引退後の選手には、試練が訪れるという構図がこの世界です。
そんな彼らにも、本当はぴったりした仕事があるのです。
それは、高校野球の監督。
むしろ、それしかないってほどの転職、いや天職です。
ところが、話はそんなに簡単でなく、プロを経験した選手がアマチュア野球に戻るには、さまざまな制約がありまして…
特に、高校野球の監督になるためのハードルが高いのです。
俗に高野連と言われるアマチュアトップの頭が固いから。

そのへんに強く噛みついたのが、『プロ野球ニュース』でお馴染みの豊田泰光氏でした。
それだけでなく、コミッショナーが無能であるとか、クライマックスシリーズなどは愚の骨頂だとか、ナベツネは早く退場するべきだとか。
舌鋒鋭く切り込んでおりましたが、彼の真骨頂はその文章力でありました。
現役時代、最初に仕えた監督があの三原修氏で、そのときに「ヒマがあるなら本を読め」と勧められ、忠実に従った成果だそうです。
監督に心酔していた豊田氏は、素直に実践したんですね。
野球選手は、移動時間等、結構時間があるものだから、生来の素直な性格と相まって、砂が水を吸い込むように、みるみる成長していったんだと思います。
野球界に、独特の考えを持ち、影響力を示した評論家はたくさんおりましたが、豊田氏ほどに、その日本語力を発揮した人を私は知りません。
彼の『プロ野球を殺すのはだれだ』(ベースボールマガジン新書)は私の野球バイブルなのであります。
享年81歳。合掌。