都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

意識高い系

25年ぶりの広島カープ優勝は、2位に大差をつけた圧勝でした。
開幕当初は、それほどの実力差が感じられなかったものの、交流戦で鈴木選手が覚醒したころから、チームが自信をつけていったように思います。
今となっては、その実力差が拡がり、負ける気がしないとさえ言えるようになってきました。
なぜ、そんな化学変化が起こったのでしょうか?

^貳崚鎮羚輔の定着
  もともと適性があったのですが、今季トップバッターに定着したことで、じっくり球を見るようにな  り、四球の数が68個と倍増しました(2015年は34個)。
  初球から手を出さなくなったのは、投手の打ち終わった後を意識してのもの。
  9番打者であるピッチャーが打席で粘ったときは、呼吸を整える時間を稼ぐように考えていたと言い  ます。その結果として、四球が増えたんだと。
  打率こそ.274と物足りないのですが、出塁率は.371と立派なもので、チャンスメーカーの役割を果た  しました。
二番菊池涼介の右打ち
  カープの野球が大きく変わったのは、送りバントの減少です。
  2012年には、シーズン通じて175個を記録し、昨年でも135個とほぼ1試合に一個の犠打を用いていた
  のが、今年は87個のみ。
  送りバントは、プロ入り後すぐに二番に定着した菊池選手の得意技であり、過去三年はリーグトップ  の座を誰にも渡していませんでした。
  それが、今年は半減の23個。
  一回から、送るようなケースが少なくなり、変わって右打ちを意識するようになりました。
  エリア別打撃で見ると、昨年は29.7%だった右打ちが今年は34.7%と多くなり、右方向のヒットが34  本増えたほか、進塁打となったケースも枚挙に暇がありません。
  ヒットゾーンが拡がり、打率も.254から.323と躍進しました。
三番丸佳浩の復活
  上位打線が固まったことで、プレッシャーが消え、打棒を取り戻しました。
  打率.295(.249)本塁打19本(19本)打点86点(63点)四死球81個(95個)三振95個(143個)
  *カッコ内は昨年の記録
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  カープブルペンには、左投手がほとんどいません。
  各チームの強打者には左バッターが多いので、ワンポイントでも用意しておきたいところですが、適  当な人材がいない。だけど、必要ないんです。
  以下の投手は、左打者を.250以下に抑えています。
  野村.240(.256)今村.222(.220)岡田.238(.309)大瀬良.185(.212)中崎.207(.236)
  藪田.130(.237)一岡.195(.161)ジャクソン.171(.183)ヘーゲンズ.250(.202)
  *カッコ内は右打者に対する被打率 データは『プロ野球ヌルデータ置場』より
  左打者のほうが打たれないという投手が6人もおりました。
  こうした攻め口は、黒田投手が影響しているような気がしています。
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  二塁手のシーズン捕殺記録は535(2014年菊池・広島)。
  遊撃手のシーズン捕殺記録は502(1948年杉浦・中日)。
  いずれの記録も、カープの二人が破ってくれそうな勢いです(現在菊池487・田中445)。
  この守備範囲の広さで、カープ投手陣はかなり助けられています。
  勝利の方程式の中、終盤に登場する今村・ジャクソン・中崎の三人が、三者凡退で終わらせることが  少ないのは、低めのコントロールを意識してのもの。
  制球を乱しているわけではないので、安心して見ていられるのです。

とまあ、書けばキリがないのですが、総じて言えることは、勝つための意識が高いってこと。
どうすれば、確率が上がるのかをそれぞれが考え、影響し合っているのです。

石井コーチ・黒田投手・新井内野手は、他球団に在籍していました。
だからこそ、カープのいいところと直さなきゃいけないところがよく見える。
そういうものです。
人は意識していないものは見えない。
だけど、意識していれば見えてくる。
意識が高くなった軍団として、最早、クライマックスなんぞ眼中にありません。
ここから5年、黄金時代の幕開けです。