私の母方の祖父は岡山県人で、豪放磊落だが若干の虚言癖があり、小さなウソをつく。祖母は山口県人で、真面目を絵に描いたような融通が利かないタイプ。そんな二人の顔色を窺いながらも、私は強い影響を受け育ちました。
幼稚園児のころ、異常に頭が大きかったため、バランスがとても悪く、それに気づいた祖母は、こう言い放ちます。
「この子は、気を付けができない」
かくして、小学校入学前の私は、気を付けの特訓を受けました。そんなの練習してうまくなるものでもないのに。
その後、成長するにつれて、問題点は徐々に解消されていきました。
いや、途中、自転車に乗れないとか、いろいろあったものの、高い重心を低い体型でカバーするという身体の不思議、なんとかなるものであります。
とまぁ、そんなトラウマを持つ私に、会社には親切な上司がおりまして、アドバイスを送ります。
「若林さんは、気を付けをしたときに、右肩が下がっちょる」
うーん、バレたか。
そうです、私はちゃんとした感じが苦手でありまして、じっとしているとか、並んで待つとか、そういうときに集中力のなさも相まって、ボロが出ます。でも、ちょっとだけ思います。
他人の肩が落ちてること、気になる人がいるんだ…
毎週火曜日に放映している連続ドラマ『カルテット』は、そういう話の連続です。唐揚げにレモンをかけるかとか、アジフライは醤油かとか、柱に画びょうを差してもいいのかとか…
他人同士が一緒に暮らしている時間が長いと考え方が合わないことにイライラし、小さな問題がどんどん膨らんでいく心理劇。
これは、面白いですよ、そして、勉強になります、人間学として。
ネットで、過去放映分が見られるので、是非!オススメです。