どう考えたって、不思議でした。
本を売る本屋さんが、図書館を代行するなんて。
しかしながら、そんなに単純ではないことを『TSUTAYA』は知っていたのです。
つまり、本屋さんのお客さんは、単純に本を買いに来るだけでなく、本を楽しみに来ているのだと。
実際、買わないけど、読みたい本ってあります。
それならば、バッティングしない。
むしろ、立ち読みじゃなくて、ゆっくり座って読んでもらえれば、大勢の人が集まってくれば・・・
最近、通っている床屋さんは、すべてが終わった後も、すぐには帰らせません。
コーヒーを飲んでいけと、奨めます。もちろん、熱いやつ。
こうしておいて、お客を引っ張る。これも、滞在型のビジネスです。繁盛の演出。
『TSUTAYA』では、その役割を『スターバックス』に求めました。
これをそこそこの田舎に持ち込んで、文化を発信するという手法です。
コーヒーを飲みながら、書物のページをめくるというのは、ワンランク上の私を引き出しました。
今までは、そんなこと、考えなかったんだけれど、こういう時間の過ごし方もあると気づかせる。
広島の駅前に開設した『蔦谷家電』には、ゆったりしたソファを500席用意し、書籍から文具・雑貨・最新の家電、それに海外製家電をズラリと並べています。
キーワードは「オシャレ」であること。そして、何より「楽しめる」こと。
滑り台やボールプールのそばには、レゴや絵本を置いて、小さな子供も取り込みます。
さらには、食事。
徹底的に味にこだわるので、相対的に値段は高め。
だけど、ビル全体で、時間を中心とした余裕を演出していますからね、むしろ、高級なほうが売れるという考え方です。実際に、行列が人を呼び、SNSで拡散させます。
実によくできています。
わが町、徳山にも来年2月に駅中に『TSUTAYA』が管理者となる図書館が誕生します。
現状では、駅前はずっと寂れていたのですが、人の流れは変わるのでしょうか?
今から、とても楽しみです。