都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

KID

外敵から国を護る仕事としては、警察と自衛隊が挙げられます。
警察の中には、公安という存在があって、テロ対策、そして組織の規律を守るために目を光らせます。
これらを統括するのが、内閣総理大臣
その懐刀としての官房長官
だから、官房長官に逆らうと、警察に自衛隊に公安を敵に回す、そういうことになります。

相場英雄氏の最新作『KID』(幻冬舎)は、自衛隊を除隊して、フリーのボディーガードを務める主人公が、国家権力を相手に闘うハードボイルド小説です。
作品には、ドラッグネットと呼ばれる日本中の通信情報を捕捉するシステムが登場し、これにAIが絡むことで、一度見つかってしまうとどこにも逃げられない、プライバシーなど存在しないという仕組みを紹介しています。
本当にそんなものがあるかどうかは、分かりませんが、理論上は可能です。
犯罪を防ぐことは難しいとしても、犯人逮捕なんて簡単だと思わせるような内容でありました。
また、その中をかいくぐる主人公というのも魅力的で、手に汗握るアクション巨編と言っていいでしょう。

相場氏は、『震える牛』でも紹介しましたが、今一番の注目株です。