「ポケットからハンカチを取り出し、胸の前でひらひらと一回、二回。裏オモテを確認します。何もない。そこへ、今度は力強くタテに大きく振るとぉ…わっ、ウサギが出てきた、スゴイ」
手品のラジオ実況があるとすれば、こんな感じでしょうか。
一つひとつの動作を表現し続けるためには、そのことについての知識と細かいところを見逃さない観察力が必要です。それに、普段から訓練すること。
スポーツアナだった私の父は、素人の野球やラグビーの観戦に出かけ、スタンドに陣取っては口と耳を手で覆いながら、ぶつぶつと練習していたんだそうです。お陰で卓球の実況まで出来るようになったとか。ラジオの時代です。
そうは言っても、量を表現することは容易いが、質を伝えるのは難しい。
グルメレポートもそうですね。美味しいってセリフを封印したりすると、素材や器の話題になって、なんか面白くありません。ミスユニバース世界大会の中継をやれって言われても、断ったほうがいいかも??
競馬や野球など、結果がスコアやタイムに反映されるものはマル。
だけど、サッカーやゴルフなど、プロセスを楽しむスポーツは向いていないのがラジオ媒体です。
先日、高橋大輔選手の演技は車中のラジオで聞きました。こういう採点競技もなかなか。
想像力は逞しくなるのかもしれないけど、どうでしょう?銅でした。