都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

70歳の正解

同窓会に行って思うのは、同じ年齢であるハズなのに、人によって外見が全く違うことです。

女性は普段から気を付けているから、そんなに差が出ないけど、男性はスゴい差が出ます。上下で30歳ぐらい開きがあるように思う。

いつまでも石田純一っぽい奴がいるかと思えば、担任よりも老けちゃってる奴もいる。髪の毛による印象が大きい上、ファッションセンスでその違いがグーンと出てしまう。鏡と向き合ってる時間の差は、そういうところに表れます。それと、見られてる量を意識してるかどうか? そういう意味では、社会的な立場の存在感が大きい人ほど、若見えする。

女性の場合、いくつになっても鏡から離れないし、そもそもある程度幸せだという自信がなければ同窓会に出て来ない生き物なので、それほどの差が開かない、そう分析しています。

 

『70歳の正解』(和田秀樹著・幻冬舎新書)は、健康で長生きするためのハウツー本です。

人間の身体や脳には「廃用現象」と呼ばれるものがあって、簡単に言えば、使っていないものは衰えるという話。

なるほど、引きこもっていると筋肉が退化しますからね。同様に、脳も使わないとヤバいってのがよ〜く分かります。

で、私の場合、同世代に比べて見た目はかなりヤバいんだけど、海馬や前頭葉は、いい線行ってると自惚れています。

なぜか? それは毎日、2本のブログ作成を課しているからのようです。新しい刺激を探し続ける習慣が良いらしい。誰も読んじゃいないんですけどね。仕事を続けている感覚です。

そこで大事なのは、複眼思考らしい。嫌いな考えに肩入れする逆張り的な発想を残しておけば、創造力は案外拡がっていくのであります。

 

ブツブツ交換(2012/10/2分再掲載)

こちらで生活するまで、山というものは国の管理下にあり、そこに生っている木の実や花は、勝手に獲っていいとぼんやり思っていました。
囲いがしてあるようなのは別だけど、雑木林みたいな手入れされてないとこはいいのだと。
だから、柿やみかんをもいでもいいし、せりやつくしを摘んでもいい。
いると思いますよ、そう考えてる人。
実際、クルマを路肩に停めて、収穫に励んでいる人をよく見かけます。
その代表格が栗。
木から落ちて、道端に転がってますもんね。
だからと言って、山に入り込んで、ごっそり持っていこうとすると、山の持ち主に怒られます。
要らないくせに、文句は言いたい、そんなもんです。


都会では、結構なお金を出して、栗を買ったりするのでしょうけど、こっちでは貰うもので、金銭的な価値はなかなか。
このあたり、タケノコとも似ていて、くれるからと言われても、そんなに喜びません。
そして、もらったら何かをお返しするのが田舎の掟。
釣り合うような農産物があればいいけど、ないときは菓子折りに化けたりで。
これをこのへんでは、“ブツブツ交換”と呼んでいます。
面倒くさいと思いながらのブツブツ交換…??

今月から野菜カレーに栗が加わりました。
貰いものですけどね!?

わたしの知らない子どもたち

ここのところ、邦画が低調で(★4つ以上がない)ご無沙汰していた映画館通いですが、久しぶりに行って来たのが『わたしの知らない子どもたち』です。ホントに知らない子ばっかり出てくるので、地味なスタートであったものの、どんどん惹き込まれていきました。今どきの子役を舐めてはいけません。

主役の女の子(小八重葵美)は、本作品のためのオーディションで500人から選んだと言うんだけど、スゴいです。戦時中の小学生顔。妻夫木聡の幼年時代みたいな造りですが、その演技力が半端ない。いや、演技だということを忘れさせてしまいます。ネット検索したら、新番組『ポリティカルパン』に河合優実の幼年時代役として起用されておりました。同系統と見られているんですね。なるほどの逸材です。

ストーリーは、太平洋戦争後の戦争孤児をテーマに置いたもので、今の若い世代にも分かるように、ゆっくりと苛烈な時代を描いていきます。その度合いや距離感は、カメラワークやBGMを効果的に使って柔らかく仕上げていて、悲惨な内容であるにも関わらず、どぎつくなっていないところが演出力の賜物です。

監督及び脚本は、西川美和。この女性も只者ではありません。先生役の二階堂ふみに、戦前戦後で教義が180度変わるという教師側の苦しみを伝えつつ、乳飲み子を抱えた寡婦が必死に生きる姿を並行して浮かび上がらせておりました。当時の男尊女卑は、女性ですら、その考えに染まっていたので大変だったということ。そうなんだよなぁ。

あと、田中裕子が役所広司との夫婦役で、終盤にちょこっと出てきて、圧倒的な存在感を示していたのが流石です。そこだけでも、観る価値がある、そんな今年度No. 1の映画でありました。

南田南弁護士は天才肌

芦田愛菜という女優は、仕事と学業を両立させる天才で、あの溢れる知性は隠せるものではありません。

にも関わらず、周囲に嫌な感じを全く与えない性格の良さは、宮家に通じるような育ちの良さそのものなんだと思います。

深い愛情に包まれて、汚いものや醜い考え方から遥かに遠いところで育っていくと、あんな風になる。10万人に一人レベルの別人種です。

そんな彼女が、お姫様役でなく、いろんな人格を演じ分けることができるのは、無類の読書家であることに支えられています。

スポーツは苦手そうだけど、その分、信じられないペースで読みまくっている。それは、ボキャブラリーの豊富さに如実に表れているのです。

 

今週から始まった『南田南弁護士は天才肌』は、久しぶりの主演ドラマです。

主人公の自閉症スペクトラムである若手弁護士を脚本家の思い描いたとおりに演じているのが、天才たる所以。

おそらく、モデルはいないと思うんですよね、そんな人。だけど、想像力を膨らませて、いるんじゃないかとイメージづける演技力がスゴい。

田辺茂範という脚本家も見事です。あり得ないような設定を継ぎ足して、これまでになかったような法廷ドラマを書き上げました。と思ったら、この話は韓国ドラマのリメイク版だそうで、ちょっと引いています。どうりでタイトルが変だと後付けの納得。まっ、いいか。

欠点だらけの主人公が、周囲の理解を足し込んでいきながら、少しずつ前へ進んで行くのは、まるで我が子の成長物語を見届けるかのような仕掛けなんですね。娘というより孫っぽいのが芦田愛菜。今後の展開が楽しみなのであります。

会社員

今どきのサラリーマン社会は、ダイバーシティのお題目を掲げられて、いかに女性管理職を増やすかが、テーマの一つとなっています。

しかしながら、女性の多くは出世して責任ある立場となることを望んでおらず、その競争倍率は、かなり歪んだものになっているのも事実です。

つまり、現場での能力偏差値は、女性の方が低いのに、抜擢されることが多い現実がある。

それって、実は抜擢された方が大変で、いろんな無理を重ねることを余儀なくされる。気にしなければ、大した問題じゃないかもしれないんだけど、繊細な女性だと結構ボロボロになります。何より同性の眼が怖い。ポジションだって、花形ではない。内閣で言えば、法務大臣とか環境大臣とか特命大臣とか。新しい企画を打ち出すわけでなく、決められたこと、大きな予算を必要としない仕事を差配するような役割です。

いやぁ、それだってその分野における最高責任者ですからね。誇りを持ってやればいいんですが、中にはその処遇に不満を持つ者もいる。さらには、妬みから非協力的な男性が消極的だったりして、それもまたストレスです。

それが、サラリーマン社会。

先週から始まったNHKドラマ10は、吉田羊主演の『会社員』で、これがチクチクとリアルに刺さります。

 

主人公は、次期取締役とも言われる優秀な女性社員で、早朝出勤も深夜残業も厭わずに、会社に忠義を尽くす仕事人間です。男性に伍して成果を上げるには、それぐらいやらなければならない。質より量は男性の得意技ですからね。

そんなとき、部下の一人が上司からパワハラを受けて、うつ病に苦しんでいると診断書を提出してきました。しかしながら、その上司は大事なプロジェクトメンバーであるため、両者を天秤にかけた上で、黙殺しようと判断する。もちろん、正しいわけありません。 

そこから、じわじわ深みにハマっていきそうだというのが初回の流れです。

う〜ん、コンプライアンスを重く見て、上司を斬ったところで、マイナスしか生まれないわけで、足手まといとなる弱者を切り捨てようと考えるのは、起こり得る話です。実際に、あるあるなんでしょうね、そんなケース。ところが、その主人公が女性だってところがストーリーを膨らませるわけで、次回以降の展開がゾクゾクします。このドラマ、カメラワークも見事で、どんどん引き込まれていきますよ。是非、ご覧あれ‼︎

100万回死んだねこ

笑いのツボは人それぞれだというのは、お笑いの賞レースを観るたびに感じるところです。

昨夜の『キングオブコント』には、推しの蛙亭とダウ90000、それにや団の三組が出場していて、メチャクチャ楽しみにしていたんだけど、出場11組中や団が7位、ダウが6位、蛙亭は準優勝止まりでありました。私は見た目やカオスのような状況でなく、ありふれた日常を切り取って、会話を弾ませていくスタイルが好みなので、大多数が求めている基準からは、ちょっと外れているみたいです。

優勝したジェラードンは、審査員全員から圧倒的な評価を獲得していたけど、あんまり納得していません。平場での返しが弱い人は、お笑いの反射神経が鈍いと思ってしまうのです。チャンピオンは、笑いが煮詰まっていて欲しい。

 

話は変わって、タイトルに釣られて買ってしまう本があります。

『100万回死んだねこ』(講談社文庫・750円)がそれで、福井県立図書館の司書が受付カウンターで、利用者の覚え違いをネタにしただけの一冊です。腰巻きに「爆笑間違いなし」とあるし、恩田陸や宮部みゆきによる一言メッセージが添えられているので期待したんだけど、全く笑えずに20分で読み終えるクソみたいな内容でした(失礼)。いや、面白いと感じる部分が全く違っている私がおかしいのかもしれませんけどね。

ちなみに100万回なのは、生きたねこだと言うのが正解だそうです。何も感じないねぇ。

連鎖

平準的な文庫本は400ページで、それ以上だと、簡単に持ち運びできなくなります。

だから、600ページを超えるようならば、上下巻に分けたりします。

収益性は、どうなんでしょう? ファンがいっぱい付いている作家の場合、小分けした方が儲かる気がします。宮部みゆき・高村薫・東野圭吾なんかがそうですね。長いやつは作者の思い入れが強く、大作が多いので売れる。出版社の思惑もあるでしょう。

そういう意味では、黒川作品は我が道を行くで、分厚い路線を突っ走っています。

彼の本がなぜ長くなるかと言うと、無駄とも思えるストーリーと無関係な話題を散りばめるからで、だからこそ登場人物のキャラが際立ってくる。裏腹です。

 

『連鎖』(黒川博行著・中公文庫)は、683ページにわたる大作ですが、一気読みでした。

事件は、警察署に届けられた失踪届から始まります。当初は、よくある話として簡単に片付けられようとしていましたが、ちょっとした疑問が少しずつ膨らんでいって、本格的な捜査へと移っていく。そのプロセスが、緻密に展開されていて、やがて暴力団が絡んだ大掛かりな陰謀解明に辿り着くという話。適当にサボりながらも芯を外さない刑事の勘が鋭く描かれている文章技巧は脱帽モノです。緩急の付け方が素晴らしい。メチャクチャ面白かったです。

 

【テーマ】タイトル・時代性・学習性 17点

【文章技巧】読みやすさ・バランス 19点

【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 20点

【構成】つかみ・意外性・スピード感 19点

【読後感】共感性・爽快感・リアリティ・オススメ度 20点

【合計】95点