TVerで『古畑中学生』を見たら、主人公が劇中でやたらと『バスカヴィル家の犬』(コナン・ドイル著)を薦めていたので、早速Amazonで購入しました。
シャーロックホームズは、小学生のころころ読んだものの、ルパンほどのインパクトがなかったような。あんまり響いていなかった記憶がうっすらあります。ワトソンという身分がハッキリしない弟子のような存在が、ピンと来ませんでした。ちょっとしたことから洞察しまくる聡明さについていけなかったのもあると思います。
で、本作は依頼人が置き忘れていった杖だけをもとに、持ち主が田舎の開業医でちょくちょく歩いて往診に出かけるようだなんて推理を働かせます。このパターンは、ホームズが現場に残されたわずかな手がかりからその持ち主の特徴を的確に割り出す手法で、近年プロファイリングという犯罪捜査法として注目されているものです。当時は、そんな言葉がありませんでしたから、先駆けだったんですね。
本編は、イギリス貴族の生活振りや土地のスケール感がピンと来ず、翻訳物の表現の回りくどさもあって、読むのに疲れました。72点。