リメイクドラマというジャンルがあります。
最近は、韓国ドラマを焼き直したものが流行りだそうで、メンタリティが近いからなんでしょうね、ほとんど外さないみたいです。
作品へのリスペクトがあるから、本筋を外さないようにしながら、設定を現在に変えていく。間違いありません。
ところが、鬼才バカリズムは、市川崑監督で一世を風靡した『黒い十人の女』にパロディの要素を加えました。
いや、もともと妻がいる身でありながら、九人の女性と不倫関係にあるってこと自体がギャグだと思ったのでしょう。
前作で主演を務めた船越英二の息子・英一郎を起用したってところから、遊び心が全開です。
それほど魅力があるとも思えない中年男性が、性的なメッセージよりも笑顔と仕草で惹き付けるってとこ、勉強になりますねぇ。
水野美紀があんかけの五目焼きそばを頭からかぶるというのも迫真の表現でした。打撃系でない暴力の最上級。
コケティッシュな新進女優が何でも欲しがる感じ、わかるなぁ。
視聴率の上がらない番組が、作家のせいにして、脚本をデタラメに書き換えていくのは痺れました。それはテレビ局自体へのアイロニーです。
結局、バカリズムにとっての台詞回しは大喜利なんでしょうね。こう言い換えればウケるの連続は、言葉のサーカスでありました。
そして、不倫は文化だと改めて思うのでございます。