都会のネズミと田舎のネズミ

時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。

マンモスの抜け殻

ミステリーの世界は、時代と共に驚くほどの変貌を遂げています。

背景にあるのは、捜査方法の進化です。

DNA鑑定もそうだし、スマホの履歴に位置情報、監視カメラに加えてNシステムがあったりで、こうした文明の利器に精通していないと、説得力のある作品が描けないようになってきました。ある程度の理科系知識が必要であると。

トリックにしても、昔のような安易な仕掛けは通用しません。

だからでしょうか。20年以上も前の事件を掘り起こすパターンが増えています。死刑にあたる罪について、時効が撤廃されたこともありますが、それによって冤罪に言及することもあり、材料には事欠かないようです。

 

本日のオススメ本は『マンモスの抜け殻』(相場英雄著・文藝春秋)です。

高齢化が進んだ新宿の高層団地が舞台とされていて、子供の声がほとんどしないそこは、都心の限界集落となっていました。

人手不足に喘ぐ介護ビジネスへロボット技術を導入すれば、新境地が拓けると読んだ美人投資家と施設で汗まみれになって働く男、担当する刑事の幼馴染み三人が、殺人事件に巻き込まれていきます。

コロナ禍を反映させた状況設定は新鮮ですが、今ひとつスピード感に欠けているのは否めませんでした。

86点です。