今年、感銘を受けた城山真一の小説に刺激され、週末のU-NEXTは『ショーシャンクの空に』を選びました。
刑務所内で起こるいろんなことは、きれいごとで済まされるような話はむしろ少なく、管理する側からの理不尽な暴力もまた、秩序を保つための必要悪であるような気がします。体罰禁止を言い過ぎるから、学級崩壊を止められないような。殺人で終身刑を言い渡された囚人の集まりをコントロールするための治外法権は、多かれ少なかれ世界じゅうにあることでしょう。話せばわかる人は、そもそも法を犯さない。
そんな中で、この映画の主人公は、ひと味違っていました。
仲間の尊敬を勝ち取り、看守からもその能力を信頼されて一目置かれる。刑務所内の図書室改築の予算を陳情し、ついには囚人たちの中から学問に目覚める者が出てきました。絶望を希望に変えたのです。そのあたりの展開が、無理なくまとめられていて、光の当たらない刑務所内の画面がゆっくりと明るく変化していきます。上手いんだよなぁ、作り方が。
こんな風だったら、刑務所に入ってもいいかなと思いました(ウソです)。